廃棄物処理に関する民主党政策集

9月22日、鳩山首相が国連気候変動首脳会合において、
「日本は、2020年までに地球温暖化ガスの25%削減(1990年比)を目指す」と表明しました。
「言うは易し、行うは難し」で、これからどうやって削減していくかを考えなければなりませんが、従来の自民党政権なら、経団連などの意向に配慮し、ここまで強硬に目標を主張することはありませんでした。
良くも悪くも、政権交代によって、それまでとは違う速さで社会が動き始めたように思います。
現実的に考えると、純粋に国内の努力だけで排出量の削減を図ることは難しそうですが、それをあえて国際的会合の場で宣言してしまうという点が、鳩山内閣の流儀と言えそうです。
我々国民や事業者の立場としては、今まで以上に、現政府の意向を注視し、それに先んじて準備を進めておくのが良さそうです。
今回は、廃棄物処理・リサイクルに関する、民主党の政策集をご紹介します。
※民主党政策集
http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/19.html
民主党政策集には、総合的な廃棄物・リサイクル対策として、10個の具体的な目標が掲げられています。
以下、その10項目を抜粋するとともに、尾上の個人的意見を付記したいと思います。

1.環境への影響の未然防止を徹底するなどの廃棄物・リサイクル政策の原則の確立

(尾上意見)
「理念を表明しただけなのでしょうか?表現が抽象的なので、方向性がよくわかりません。ただ、『未然防止を徹底』しすぎると、『何もしない方が得』となり、かえってアウトローの跳梁跋扈を許す結果につながる可能性があります・・・」

2.製品製造者の廃棄製品引き取り対象品目の範囲拡大

(尾上意見)
「民主党としては、すべての家電製品やパソコンなどをリサイクル対象として位置づけ、リサイクル費用を前払いに統一(現在は後払い=廃棄時の支払い)したいようです。不法投棄の抑制には一定の効果がありそうです。」

3.情報公開による施策の透明化

(尾上意見)
「これも抽象的すぎて意味がよくわかりません」

4.一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直し(事業者が排出する廃棄物はすべて事業系廃棄物と整理するなど)

(尾上意見)
「唯一、これだけは大賛成です(笑)。
産業廃棄物と一般廃棄物の区分が必要以上に複雑なため、排出事業者責任を徹底するためにも、『事業活動によって生じた廃棄物はすべて産業廃棄物』と整理をしてほしいものです。」

5.排出者責任の徹底

(尾上意見)
「どんな政策を取るのかがよくわかりません。これも『理念を先に表明し、後でやり方を考える』という手法の一環なのでしょうか。」

6.リサイクル名目の不適正処理の防止

(尾上意見)
「これは民主党独自の政策というよりは、どの党が政権を取ろうとも、行政や警察の責任でやらなければならない仕事の一つです。」

7.計画的な省資源化・資源循環の推進

(尾上意見)
「表現が抽象的すぎます。ただ、この内容は今後の日本にとって、非常に重要な取組みとなるのは間違いありません。政府の次の方針発表を注視したいと思います。」

8.リサイクル率・回収率引上げが必要な製品の指定

(尾上意見)
「これも、言うは易し、行うは難しで、リサイクル率や回収率をどう引き上げるのかが重要です。」

9.リサイクル材の規格化による利用拡大

(尾上意見)
「今までは、グリーン購入法の趣旨がそれほど徹底されていませんでしたが、今後は、政府自ら、リサイクル材の利用促進を図るようになるのかも?」

10.罰則強化等による廃棄物管理の徹底

(尾上意見)
「『罰則を強化すれば、法律違反が減少する』というのは、人間をステレオタイプに捉えすぎです。政府がやるべきことは、罰則を強化する前に、廃棄物が円滑に循環する社会システムを構築することです。」
その他、民主党政策集には、食品残さの完全リサイクルや、最終処分場の恒久的監視対策など、物理的に実現可能なのか怪しげな提案がなされています。
一度、 http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/19.html
をご覧いただき、あらかじめ心の準備をしていただければと思います。

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