事業場外での破砕処理で事業全部停止60日間の行政処分

2015年9月10日付 岡山県発表 産業廃棄物処理業者に対する行政処分を実施しました

(業者名の転載は略)

2 処分内容
(1)産業廃棄物処分業の事業の全部停止 60日間
(平成27年9月10日から同年11月8日まで)
(2)産業廃棄物収集運搬業の事業の全部停止 60日間
(平成27年9月10日から同年11月8日まで)
(3)産業廃棄物処理施設の設置許可の取消し
3 処分年月日
平成27年9月9日
4 処分内容
 被処分者が、産業廃棄物処分業で受託した木くずを許可を受けた事業場の外で破砕処理したこと、また、破砕施設を許可を受けていない場所へ移設して使用していたこと、さらに、回付した産業廃棄物管理票に関して記載すべき事項が記載されておらず虚偽の記載もあったこと、これらのことが法第14条の2第3項(変更届出義務違反)、法第15条第1項(産業廃棄物処理施設無許可設置)及び法第12条の3第3項及び第4項(産業廃棄物管理票記載義務違反・虚偽記載)に違反していると認められるため。
5 参考
(1) 許可の状況
1)産業廃棄物処分業
ア 許可年月日 平成26年10月22日
イ 事業の区分 中間処理(破砕・堆肥化)
ウ 取り扱う産業廃棄物の種類 木くず 以上1種類
2)産業廃棄物収集運搬業
ア 許可年月日 平成26年11月5日
イ 取り扱う産業廃棄物の種類 木くず 以上1種類
3)産業廃棄物処理施設
 ア 許可年月日 平成19年9月6日
 イ 設置場所 固定式 岡山県和気郡和気町田土2900番17、18、19、20
           移動式 岡山県(岡山市及び倉敷市を除く。)内の産業廃棄物排出事業場内
 ウ 取り扱う産業廃棄物の種類 木くず 以上1種類
 エ 処理能力  60.5t/日

「60日間の事業の全部停止処分」と「産業廃棄物処理施設設置許可の取消」の2種類の行政処分となっています。

行政処分を行った理由として、
・事業場外での中間処理
・(自走式と思われる)破砕機の無許可設置及び使用
・マニフェストの虚偽記載
の3つが挙げられています。

「木くず破砕機の設置許可」が取消されていますので、
設置許可不要となる規模の木くず破砕機を持っていない限り、「破砕」処理は行えないことになります。

しかし、「破砕」処理自体の許可は取消されていませんので、小規模な木くず破砕機を所持しているのかもしれません。

もし、木くずの破砕に関しては、設置許可が取消された施設しか所持していないのであれば、
「破砕」という業許可の前提となる施設が存在しないことになりますので、業許可を取消す必要が生じます。

また、施設の無許可設置が現認されている以上、「施設設置許可の取消」のみならず、「業許可」自体の取消が行われてもまったくおかしくありません。

現に、技術的助言という位置づけに過ぎませんが、環境省は、
平成23年3月15日付環廃産発第110310002号「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について」で、
「施設の無許可設置、または変更」は「許可取消が相当」と例示しています。

syobun

岡山県は、取消すべき許可の対象を、「業許可」ではなく「施設設置許可のみ」と判断したのかもしれません。

もちろん、どのような行政処分を下すかは自治体に裁量権があるわけですが、
他の自治体の行政処分実例と比較をすると、個人的には釈然としない部分が多いと感じました。

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