不法投棄による許可取消(埼玉県)

ある中間処理業者が事業所の敷地内にコンクリートがら370.86kgを不法投棄していたことが発覚し、埼玉県によって、産業廃棄物処理業許可と産業廃棄物処理施設設置許可が取消されました。

2015年11月5日付 埼玉県発表 「産業廃棄物処理業者に対する行政処分(許可取消し)について

 株式会社ダイケングリーンランドは、平成26年7月11日から平成27年3月21日までの間に、埼玉県加須市鴻茎3207番2所在の株式会社ダイケングリーンランド騎西工場の建屋内のコンクリート床を剥離し、同所に廃棄物である廃砥石370.86キログラムをみだりに投棄したものであり、法第16条の規定に違反した。
 このことは、法第14条の3の2第1項第5号及び第15条の3第1項第2号の規定に該当するため、産業廃棄物処分業及び産業廃棄物収集運搬業の許可並びに産業廃棄物処理施設の設置許可を取り消すものである。

「裁判で有罪になってもいないのに許可取消に臨んだのは、埼玉県の姿勢が強硬化したのか!?」と驚いている方がおられるかもしれませんが、
全国的な行政処分の傾向としては、刑事裁判の結果を待たずに、野外焼却や不法投棄という事実だけで許可取消を行うことは珍しくありません。

環境省が発出した「行政処分の指針」のせいで、今年になって急に許可取消が厳格になったわけでもありません。

廃棄物処理法の中で、不法投棄などを処理業者が行った場合、「情状が特に重いとき」は「許可を取り消さなければならない」と規定されています。

廃棄物処理法第14条の3の2
 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。
一~四 略
五 前条第一号に該当し情状が特に重いとき、又は同条の規定による処分に違反したとき。
六 略

廃棄物処理法第14条の3
 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めてその事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 違反行為をしたとき、又は他人に対して違反行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、若しくは他人が違反行為をすることを助けたとき。
二~三 略

廃棄物処理法第14条の3の2では、「情状が特に重いとき」という条件が挙げられています。

どれくらいの不法投棄なら情状が軽いのかは明文化されていませんが、
量の多寡にかかわらず、少量でも廃棄物を不法投棄しただけで、不法投棄罪という廃棄物処理法で最も重い罰則に該当する行為をしたことになりますので、「情状が特に重い」と判断されることになります。

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