立入検査の忌避で事業の全部停止30日間の行政処分(東京都)

「立入検査の忌避」という滅多に見られない理由に基づく行政処分事例が出ました。

2016年7月5日付 東京都発表 「産業廃棄物処理業者に対する行政処分について

 次の産業廃棄物処理業者は、処理を受託した産業廃棄物について、処分を終了させずに自ら保管していたにもかかわらず、産業廃棄物管理票の写しの処分終了日欄に日付を入れて処理を委託した者に送付しました。また、廃棄物処理法第18条に基づく東京都知事からの報告の求めに対し、著しい報告漏れのある報告をするとともに、同法第19条に基づく立入検査を妨げ、忌避しました。
 このことは、同法第12条の4第3項の産業廃棄物管理票の取扱いを定めた規定に違反し、また、同法第30条第6号及び第7号の違反に該当するため、事業の全部停止及び施設の使用停止を命ずる行政処分を行いました。

名称
 株式会社長岡商店(ながおかしょうてん)
代表者氏名 (略)
住所 (略)
処分内容
 産業廃棄物収集運搬業(許可番号:第13-10-039004号)、産業廃棄物処分業(許可番号:第13-20-039004号)及び特別管理産業廃棄物収集運搬業(許可番号:第13-51-039004号)の事業の全部停止30日間並びに産業廃棄物処理施設(許可番号:第51013号)の使用停止30日間
事業停止期間
 平成28年7月14日から同年8月12日まで

罰則としては、立入検査の忌避は廃棄物処理法第30条の「30万円以下の罰金」という罰則の対象となります。

ちなみに、報告徴収に対して虚偽の報告をした場合も、同条の罰則の対象となります。

マニフェストの虚偽記載は、法第29条の「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」の罰則の対象となっています。

今回の命令の対象者は、上記3つの罰則に抵触する違反があったようです。

020895さて、実際の現場においては、立入検査を忌避する事業者はほとんどいないのが現実です。

少なくとも、筆者の公務員時代の経験では皆無でした。

殊勝というべきか、不法投棄実行者であっても、立入検査を忌避した人はいませんでした。

暴力団とのつながりが噂されるような強面の人ほど、正式な権限を持つ行政職員に対し、「敷地に入るな。帰れ!」というわかりやすい拒絶をしない傾向にもありました。

そのため、具体的にどうやって「立入検査を妨げ、忌避したのか」想像もつきません。

敷地入口に鍵をかけ、何人も立ち入れないようにしたのでしょうか?

「帰れ」と言われただけで、すごすごと東京都職員が帰るとも思えないので、事業場をロックアウトした可能性の方が高いのではないかと勝手に勘ぐっております。

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