産業廃棄物の引受禁止義務違反で10日間の事業停止処分(愛知県)

2017年4月7日付 愛知県発表 「産業廃棄物処理業者への行政処分(事業の停止命令)について

2 行政処分の内容及び理由
(1) 行政処分の内容
 ア 命令の内容
  産業廃棄物収集運搬業及び特別管理産業廃棄物収集運搬業の事業の全部停止(法第14条の3第1号及び法第14条の6)
 イ 停止期間
  平成29年4月7日(金曜日)から平成29年4月16日(日曜日)まで(10日間)
(2) 行政処分の理由 
 被処分者は、平成28年11月16日、NTNアドバンストマテリアルズ株式会社(以下「NTN社」という。)から産業廃棄物である廃プラスチック類の引渡しを受け、三重県桑名市長島町地内の国道1号線において、前記産業廃棄物を積載した大型貨物車両(三重100す6877)に産業廃棄物管理票(以下「マニフェスト」という。)を備えずに運搬を行っていたことが、路上検査で確認された。
 平成29年1月5日付けで提出された被処分者からの報告書によると、被処分者は、平成28年4月1日から平成28年11月30日までの間、NTN社から収集運搬の委託を受けた産業廃棄物である廃プラスチック類について、合計92回、マニフェストの交付を受けないまま引渡しを受けており、そのうち90回については2回分の運搬を1回にまとめ、被処分者がマニフェスト1枚に2回分の運搬事項をまとめて記載していたとのことであった。
 これらのことから、被処分者は、平成28年11月16日以外にも、少なくとも45回はマニフェストの交付を受けずに産業廃棄物を引受け、運搬を行っていたこととなる。
 このことは、法第12条の4第2項に違反し、法第14条の3第1号及び第14条の6に規定する産業廃棄物収集運搬業及び特別管理産業廃棄物収集運搬業の事業の全部の停止事由に該当する。

行政処分の相場(目安)としては、紙マニフェストが交付されていない産業廃棄物を引き受けた場合は、「事業の全部停止30日間」というのが一般的です。

しかるに、今回の処分は「事業の全部停止10日間」という、甚だ短い期間になっているのが謎です。

しかも、10日間の中に日曜日を二回ずつ挟んでいるので、実質的には8日間以下です(笑)。

行政がここまで被処分者に配慮というか、忖度する(←笑)理由がよくわかりませんが、
「被処分者が自発的に文書で報告してきたから」という理由で、情状を酌量したのでしょうか?

そうだとしても、自白した件数だけでも92回という非常に多い件数の違反に対し、実質的には「事業の停止1週間」という盆暮の休業日程度の軽い温情処分で済ませるのが妥当とは思えません。

また、この種の違反の一番の元凶は、「排出事業者の無知」にあるわけですが、行政から排出事業者への対応が「社名の公表」だけでは不公平と言わざるを得ません。

もっとも、排出事業者の社名を公表すること自体がまれですので、その点だけにおいては、愛知県の姿勢を評価するべきなのかもしれません。

排出事業者が東証一部上場企業のNTNの関連会社という事情が斟酌されたのでしょうか?

ただ、業許可を持たない排出事業者には、「(産業廃棄物処理)事業の全部停止処分」や「許可取消」といった行政処分をかけることはできませんので、「文書での戒告」や「刑事告訴」、あるいはマニフェストの義務違反に基づく「勧告及び措置命令」といった、「帯に短し、たすきに長し」のいささか不釣り合い、かつ極端な手段しか取れない現実もあります。

愛知県が委託者(排出事業者)の社名公表に踏み切ったのは、そのような現状へのアンチテーゼなのかもしれません。

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