2017年廃棄物処理法改正案の解説(Vol.7 保管基準違反への措置命令)

いよいよ2017年改正法案の最後の解説です。

最後は、「保管基準違反への措置命令規定」についてです。

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「法第19条の10」という条文を新設し、一般廃棄物と産業廃棄物のそれぞれの保管基準違反に対して、措置命令規定をかけられるようにするという内容です。

一般廃棄物に関する措置命令の根拠である「現行法第19条の4」には、一般廃棄物保管基準違反が措置命令の対象になっていませんので、その穴をふさぐという意義はあります。

しかしながら、産業廃棄物の保管基準違反に対しては、「現行法第19条の5」で既に措置命令の対象になっていますので、改めて「19条の10」で保管基準違反の詳細を定義する必要はないように思いました。

「現行法第19条の5」では、措置命令の対象として、「一  当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者」が真っ先に挙げられているからです。

私の理解としては、保管基準を満たさない状態で産業廃棄物の保管を行っている者は、理由やきっかけ、行為者の属性のいずれも問わず、全員が措置命令の対象になるものと思っておりました。(※生活環境保全上の支障があることが前提です)

ところが、改正法案の「第19条の10」では、「許可の更新を受けなかった者」「廃止届を出した者」「業許可を取消された者」が行った保管基準違反も、措置命令の対象にするという内容です。

「現行法第19条の5」で概括的に網羅されている産業廃棄物の保管基準違反を、改めて「改正法案第19条の10」で再列挙する意味があるのかどうかということです。

そうする必要性についてお気づきの方がおられましたら、是非ご教示いただければ幸いです。

いずれにせよ、今回解説した部分は、善良な当ブログ読者様にはほぼ無関係な補充規定となります(笑)。

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コメント

  1. アスベスト より:

    いつも参考にさせてもらっています。
    古い記事へのコメントでご容赦ください。

    現行法で第19条の5の措置命令は、「処理基準違反+生活環境保全上の支障」が条件となっています。
    一方、第19条の3の改善命令は、「処理基準が適用される者+処理基準違反」が条件になっています。

    この場合、「処理基準違反が適用されない者+処理基準違反+生活環境保全上の支障が無い」場合の行政処分ができないという不具合?があります。

    そこでこの部分を補うために措置命令という名をもって行政処分の範囲を広げたものと解釈しております。

    さらに言えば、措置命令違反に対する支障の除去として行政代執行の規定がありますが、第19条の10の措置命令においては、生活環境保全上の支障が無いわけで、当然行政代執行の対象となりません。

    つまり、許可取消等により廃棄物が残置されたケースにおいて、処理基準違反である場合には、生活環境保全上の支障の有無に関わらず措置命令の対象とし、命令違反による罰則を適用することが可能となる改正なのではないでしょうか。

    例のダイコー事件の際に、所管行政が、改善命令の対象とならなくなるため、許可取り消しを留保したことに関する改正と思われます。ただ、当該事案については、現行法による措置命令が可能だったのではないかと勝手に考えています。

    環境省の施行通知等でこの辺りの解釈が示されれば良いのですが(笑)

    以上長々と失礼いたしました。

  2. 尾上雅典 より:

    アスベスト 様 コメントいただき、ありがとうございました。

    「処理基準違反が適用されない者+処理基準違反+生活環境保全上の支障が無い」場合の行政処分、というご指摘
    なるほどと思いました。

    説得力のある御高察だと思います。

    しかしながら、実務上、このような行政代執行の責任を伴わない措置命令が頻発されると、「行政のモラルハザード」とも言うべき無責任な状態になるような気がします。

    条文を読んでも、条文ごとの命令対象の違いがよくわかりませんので、仰るとおり、環境省は最低でも通知でそれぞれの条文の対象行為を明示すべきだと思いました。


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