廃棄品流出の後始末費用はHow much?

往年のテレビ番組のようなタイトルをつけてしまいました(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=l1hwhHScXPk

ビーフカツその他の食品廃棄物の流出事件は、着々と全容解明に向けて捜査が進んでいるようですが、
いまだに残された廃棄物の後始末に関する問題が浮上し始めています。

2016年2月22日付 日本テレビ 壱番屋 「ダイコー」に残された廃棄物回収
壱番屋インタビュー 自主回収
今年の壱番屋さんは「不幸のどん底」ではなく、「強運」に恵まれているように思います。

食品廃棄物を横流しされたこと自体は不幸ですが、事実公表の速さや、自主回収を真っ先に表明したお陰で、社会から起こりそうな批判をすべて事前に回避できています。

もしも、実態は「いやいや強運などではなく、日頃からそのような対応を心がけているからですよ」であるならば、「自発性」と「対応の速さ」こそが、危機を最小限度に抑制する最大のポイントと位置づけられますので、他の組織にとっても大きな教訓になります。

真実は「日頃の心がけ」か「ただの強運」のいずれなのでしょうか?

愛知県からの回収指導に素直に従っただけかもしれませんが、報道を見る限り、壱番屋に対する批判的な論調は皆無のようです。

さて、問題は、後始末を含めた流出後に発生する損害はどれくらいの規模になるのでしょうか。

廃棄品が流出した場合に、委託者に発生する損害としては、

・別の処理業者に委託し直す等の追加コスト
・ブランドイメージの毀損
・信用の失墜
の3つがあります。

今回の報道部分は、「別の処理業者に委託し直す等の追加コスト」に関するものとなります。

幸か不幸か、ダイコーに処理委託していた排出事業者の委託料金は、「1kgあたり12円」という大幅な安値で発注をしているところがほとんどでした。

そのため、廃棄物が保管場所で腐ってない限りは、ダイコー以外の他業者に改めて処理委託をする程度のコストしか発生しなさそうです。

もちろん、委託量が多ければ多いほど、追加コストの額もそれだけ大きくなりますが、ダイコーへ支払い済みの委託料自体は、大学生への仕送りよりも安い金額がほとんどと思われますので、企業の負担感はそれほど大きくなさそうです。

問題は、「ブランドイメージの毀損」と「信用の失墜」の2つですが、
テレビやラジオで自社製品のCMをバンバン流している企業ほど、現実とCMのイメージとのかい離が大きくなりますので、消費者からの信頼を取り戻すのに時間が掛かりそうです。

再び壱番屋の強運について触れますが、
壱番屋の場合は、「●●味噌」や「×××アイ・ホニャララ」のように、大規模なCMは流していませんでした。

食品メーカーではなく、外食チェーンという業態であることも奏功し、事件後の対応の速さで、逆に消費者に「よくやっている」という印象を与えられたので、来客数も増えているのではないでしょうか。

天の配剤で、壱番屋には大きな試練が与えられたものの、果断に行動することでダメージを最小限度に抑えられたのではないかと思います。

そう考えると、廃棄品の流出は、実は壱番屋にとっての“贈り物”だったのかもしれません。

もっとも、他の食品関連事業者や産業廃棄物処理業者にとっては、災厄以外の何者でもありませんが(苦笑)。

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