2010年改正の逐条解説 第12条第7項(委託先業者の現地確認)

(事業者の処理)
第12条
7 事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

赤字で記載した部分が、今回の法律改正によって追加された部分です。

「産業廃棄物の処理の状況に関する確認」とは、若干不明確な定義ですが、法律改正の内容を検討していた「廃棄物処理制度専門委員会」での議論から判断すると、「処理業者の廃棄物処理現場を実際に訪問し、委託契約のとおりに処理されているかどうかを確認すること」のようです。

処理業者の現場に張り付き、逐一その状況を確認することは不可能ですので、

「排出事業者が自分の目で処理業者の適格性を判断し、その判断に基づいて、適切な委託契約を行いなさい」
という意味合いになります。

ちなみに、本条の最後で、「努めなければならない」とあるように、仮に一切確認を行わなかったとしても、刑事罰に処せられることはありません。すなわち、本条は「努力義務」です。

しかし、排出事業者責任を全うし、廃棄物の処理を適切に進めていくためには、排出事業者自身の目で、委託先業者の適格性を判断することが絶対に必要です。

それに、現場を見ずに委託契約をすると、許可証の記載からは気づかない大きなミスをよくしてしまうものです。

「努力義務だから対応の必要なし」ではなく、あえて努力義務として条文に追加した政府の思いをくみ取り、自社への社会的要請に自発的に応えていくことが重要だと思います。

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