廃棄物処理制度専門委員会(第5回)の傍聴記

9月1日に開催された、「第5回中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(以下、「専門委」)」を傍聴してきました。

※配布資料は、「中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(第5回)の開催について」に掲載されています。

今回は、生の審議会を傍聴しに行っておいて良かったと改めて思いました。

その理由は、環境省が深い考えなしに話した内容なのに、マスコミが既定方針であるかのように報じているギャップを体感できたからです。

その他、委員と部会長との熱い(?)論戦も一部繰り広げられましたので、プロレスの場外乱闘を見せてもらったようなお得な気分も味わえました。

さて、今回の議題は、
(1)廃棄物処理制度に関する論点整理について
(2)廃棄物の適正処理の更なる推進
となっていましたが、

実際は、環境省が作文した「廃棄物処理制度における論点の検討」に関して、各委員が好き勝手な私見をぶつけるという、大部分が不毛な時間でした。

不毛と評した理由は、
そもそもの検討対象が環境省の作文に過ぎず、「全体最適」どころか、「部分最適」にすらなっていない題材に対し、各委員が自分の興味分野からツッコミどころと思った箇所にこれまた「部分最適」の集中砲火を浴びせるという、お決まりのやり取りが中心だったからです。

しかしながら、会合のすべてを否定するつもりは毛頭ありません。

個人的には「この人(学者)は世間知らずだなあ」と値踏みしている委員の方も、一つだけ「なるほど!」と思う提言をされたからです。

このように、先入観を良い意味で裏切る発見が得られるのも、生傍聴する醍醐味の一つです。

今回の会合で大部分の時間を使って議論された論点は、
1.産業廃棄物の処理状況の透明性の向上
2.マニフェストの活用
3.廃棄物を排出する事業者の責任の徹底
4.廃棄物の不適正な取扱いに対する対応の強化
5.廃棄物処理における有害物質管理の在り方
6.廃棄物の適正処理の更なる推進に関するその他の論点
の6つでした。

項目を並べても抽象的すぎてイメージがわかないと思いますが、「電子マニフェスト」と「処理業者の情報公開」が議論の中心でした。

既に一部メディアが「電子マニフェストを段階的に義務化」と報じていますが、既定方針ではないため、これは正確な表現ではありません。

4pに、「(電子マニフェストを普及させるためには)一部の事業者から段階的に義務化するなど(中略)の対策を講じるべきではないか」と書かれているだけであり、

委員からの「一部の事業者とは、具体的にはどのような業種なのか?」という質問に対し、環境省は「現段階で、特定の業種を具体的に想定しているわけではありません」と回答していましたので、あくまでも普及策の一つとしての提案に過ぎないと考える方が妥当です。

ただし、環境省は、「電子マニフェストを義務化する対象としては、『特定の化学物質を扱っている事業者』や『大量に産業廃棄物を排出する事業者』も考えられる」と回答していたことも付記しておきます。

現実的には、そのような事業者は既に電子マニフェストを導入しているところがほとんどだと思いますので、義務化となったとしても実務的な影響は少ないと思われます。

また、「優良認定業者が不適正処理をした場合は、速やかに優良認定を取消すことが必要だ」という委員からの指摘に対し、
環境省は「法技術的に難しい」と回答していました。

果たしてそうなのか?

「取消すことができる」程度の条文改正であれば、国会でも満場一致の賛成が得られるものと思われます。

最後に、部分最適の極致と感じたのが、5pの「処理業者の許可を取消してしまうと改善命令をかけられないので、ダイコーの許可取消ができなかった」という愛知県の詭弁を真に受けた部分です。

これははっきり言って、論点が斜め上を行っています。

だいたい、改善命令をかけた案件で、愛知県が「事務管理」と称して、実質的な行政代執行をやっていること自体がおかしいのです。

発言をしなかっただけかもしれませんが、委員の方からは「ダイコー事件は改善命令じゃなく、措置命令の対象だったんじゃね?」という素朴な質問はありませんでした。

この件に関しては、後日深掘りをしたいと思っています。

以上、帰阪途上の新幹線からの速報でした。

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