漏洩した水銀の取扱い(環境省Q&Aより抜粋)

環境省が公開している「廃棄物処理法施行令等の改正に関するQ&A」の注釈です。

本日は12個目のQ&Aで、「漏洩した水銀の取扱い」についてです。

Q3-2: 水銀使用製品の破損により漏洩した水銀は回収した廃水銀にはあたらないため、特別管理産業廃棄物の廃水銀等には該当しないとのことであるが、この漏洩した水銀の処理の委託をする場合は何の品目になるのか。 特定施設において漏洩した水銀は何に該当するのか。

A:特定施設に該当する施設において水銀使用製品が割れて漏洩した水銀は、特別管理産業 廃棄物の廃水銀等に該当します。特定施設以外の施設において水銀使用製品から漏えいした水銀は、水銀使用製品産業廃棄物として適切に処理していただくことが望ましいです。
(例えば、水銀体温計が破損して水銀が漏洩した場合には、破損した水銀使用製品と漏洩した水銀を、まとめて袋に密閉するなど水銀の大気飛散防止措置を講じた上で、水銀使用製品産業廃棄物として取り扱ってください。)

注釈

これはあくまでも条文上の定義を述べたに過ぎず、現実にこのようなやり方で産業廃棄物処理業者が漏洩した水銀を受け取ってくれるかどうかは別問題です。

まず、「漏洩した水銀を袋で密閉」という点が問題になります。

そのように簡易な管理では、高度かつ安全な水銀管理設備を持った業者でない限り、それを安全に処理することは困難だからです。

また、水銀そのものであればまだしも、
蛍光管のように、(ごく少量とはいえ)水銀ガスとして気体の状態で廃棄物全体が持ち込まれる場合、「1本割れちゃったけど、他の物と一緒に受け入れてね」では、
産業廃棄物処理企業の労働者が水銀を吸い込んでしまうリスクが高くなります。

そのため、今回ご紹介したQ&Aは、あくまでも一般原則としての条文定義を説明したものに過ぎず、
現実の水銀使用製品産業廃棄物の受入れ可否については、産業廃棄物処理業者側に自社の設備や作業基準に照らし合わせて判断する自由がある と言えます。

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