広域認定制度における他社製品の回収について

再改訂前の規制改革推進3か年計画重点計画事項(平成20年3月25日閣議決定)から抜粋

広域認定制度は、製造事業者等が「製造加工又は販売を行った製品」を自ら適正に処理する場合に、大臣認定の下で廃棄物処理業の許可を不要とするものであり、自社製品(回収の際にやむを得ず一部混合してしまった同一性状の他社製品を含む。)に限って処理が認められているところである。
ただし、現行法においても、製造事業者等が共同して広域認定の申請を行う際は、自社製品でなくとも共同申請事業者の製品については、当該製品の基礎情報及び処理情報等の共有化を図ることを前提として、処理することが可能である。
また、相手先ブランド名による製品製造(いわゆるOEM)による製品については、実際の製造業者が回収することは現行制度でも原則として可能である。
しかし、上記について現行可能である事を認識していない事業者も多いことから、現行制度でも可能であることを必要に応じて周知する。

要約すると
「広域認定を受けた事業者は、自社製品しか処理してはならないのが原則
ただし、OEM製品なら、ブランド名とは違う、それを製造した事業者
が処理しても良い」 ということを周知する

となります。

「広域認定制度」とは、製造事業者などが廃棄された自社製品を回収し、再利用、あるいは適切な処理を広域で行うための認定制度のことです。

一貫して「周知する」という措置内容が多いのですが

実際のところ
「周知して終わり」といった感が強くあります。

広域認定については、環境省自ら行うものですので、制度設計や運用は環境省の思惑次第で可能です。
それにもかかわらず、単なる「周知」ですので、広域認定に限って言えば、「規制改革」ではなく、「規制維持」の方針を打ち出したと考えられます。

現実問題として考えると、廃棄品の回収段階で、自社製品か他社製品かを選別するのは、作業効率を考えると著しく非効率です。

メーカーによって大きく製造技術が異なる場合は、現行の規制どおりに運用するのもやむなしですが、現在では、そんな製品を探す方が困難だと思われます。

「廃棄物の発生抑制と適切な再利用」を推進するためには

メーカーの垣根にとらわれない、大きな枠組みでの規制運用が必要と思います。

環境省は
他社製品まで制度の枠組みを広げてしまうと、広域認定の名を借りた不適正処理が横行することを懸念しているのかもしれませんが、それは検査などによって、「事後規制」をしっかりやれば防げることです。

必要以上の「事前規制」が、規制改革のもっとも大きな障害となっています。
広域認定がもっと使いやすい制度になるのは、まだまだ先になりそうです。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ