産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成21年度実績)

3月27日に、環境省から
産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成21年度実績) が発表されました。

産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

ここ数年続いている傾向として、「木くず又はがれき類の破砕施設」と「廃プラの破砕施設」の2施設が、前年度よりも増えています。
「木くず又はがれき類の破砕施設」の施設数は、前年の平成20年度に平成19年度よりも減少していましたが、平成21年度に新規設置件数が300件もあったため、再び増加に転じています。

他の産業廃棄物処理施設は、軒並み前年度よりも数が減っています。

木くずとがれき類の破砕施設は飽和状態にあると言っても良い状況ですので、今から新規参入しようと思っても、相当な苦戦が予想されます。

2.産業廃棄物処理業の許可件数(≒処理市場の飽和度)


許可件数については、前年度比で3.6%増となっています。

ただし、許可件数の増加が、そのまま新規参入の数を意味しているわけではありません。

他業種などから廃棄物処理業に新規参入する場合、新規許可を取得する必要がありますが
「収集運搬業」と「処分業」ともに、新規許可件数が前年度よりも減少しています。

その代わりに、
既存の許可業者が、許可の有効期間満了に伴い、有効期間の再延長を申請する更新許可の件数が、前年度よりも増えています。

3.取消処分件数の推移


許可の取消件数がとうとう1,000件を超えてしまいました。

平成15年度の法改正以降、欠格要件に該当した処理企業の許可取消が義務化され、許可取消件数が激増したところですが、
平成16年度に945件に上った後、平成17年度から平成19年度までの3年間は約800件ほどに落ち着いていました。

しかし、平成20年度に入り、再び900件の大台を突破してしまいました。
平成21年度は対前年度比で38.5%増の1,249件!

その年に規制強化や罰則強化がなされたわけではないため、これは非常に良くない傾向です。

役員が個人的に飲酒運転をしたために欠格者となり、会社の許可取消にまで波及したケースがよくあります。

環境省の公表によると、本日現在で産業廃棄物処理業者は約14万社あるとのことですので、
許可取消件数約1,200件という数値は14万社中の0.85%ですので1%とすると、
産業廃棄物処理企業の100社に1社の許可が毎年取消されている計算になります。

あなたの会社がその1社にはならないという自信はありますか?

役員が気を付けるだけではなく、取引先や、従業員の法律違反が遡及することもありますので、行政処分対策は全方位で行うことが重要です。

4.最終処分場の状況

最終処分量の減少傾向も続いています。

新規設置件数が少ないものの、最終処分量が減っているため、残余年数が13.2年と二ケタ台に乗りました。

2年前の統計データであるため、現在の状況はかなり異なったものになっています。

このデータだけを見ると、最終処分量が減少し続けているため、最終処分離れが加速しているように見えますが、
最近では各地の最終処分場で値上げが始まっているため、数年後の統計データでは最終処分量が増えていると思います。

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