産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成24年度実績)

2015年3月26日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成24年度実績)について」が発表されました。

1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも51施設減少しています。

前年度よりも施設数が増えたのは、
「廃油の油水分離施設(+2 【前年度の施設数との比較、以下同様】)
「廃酸・廃アルカリの中和施設(+7)」
「廃プラスチック類の破砕施設(+21)」
「木くず又はがれき類の破砕施設(+137)」
「コンクリート固型化施設(+5)」
「PCB廃棄物の分解施設(+1)」
「PCB廃棄物の洗浄施設又は分解施設(+2)」

「廃プラスチック類の破砕施設」と「木くず又はがれき類の破砕施設」は、もっともポピュラーな産業廃棄物処理施設であり、建設業等の異業種や収集運搬業者が中間処理事業に参入する際に真っ先に検討する設備です。

増加した施設数の全部が異業種からの参入というわけではありませんが、増加数のかなりの割合を新規参入者が占めているのは間違いありませんので、中間処理業への新規参入傾向を示すデータと考えることが可能です。

2.産業廃棄物処理業の許可件数(≒処理市場の飽和度)

事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がカウントされることになります。
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2010(平成22)年改正で収集運搬業許可が都道府県知事に事実上一本化されたため、平成23年度から許可件数が激減していますので、
許可数そのものよりも、増減の傾向を見る方が正確な現状認識ができそうです。

平成22年以降前年度の許可件数を毎年下回る傾向にありますので、上述した「廃プラスチック類の破砕施設」と「木くず又はがれき類の破砕施設」の2施設を除くと、産業廃棄物処理市場全体としては、規模が少しずつ小さくなっているようです。

3.取消処分件数の推移

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平成23年度以降許可取消件数が激減しているように見えますが、「許可件数」と同様に、収集運搬業許可の合理化に伴い取消の対象となる許可そのものが減少したためと思われます。

今後は年間300件前後で許可取消件数が推移することになりそうです。

4.最終処分場の状況

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図5-4の残余年数(最終処分場で埋立可能な容積(残存容量)を1年間の最終処分量で割り算した結果)のグラフを見ると、前年度よりも残余年数が1年間短くなっています。

それでも、全国平均では13.9年の残余年数がありますので、新しい最終処分場の設置が今すぐ必要なわけではありません。

しかしながら、最終処分場を設置するためには長い時間をかけて地元調整を行う必要がありますので、今から設置計画を進めておかないと、将来的には各地で最終処分場が逼迫するおそれがあります。

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