産業廃棄物の排出および処理状況(平成24年度分)

2014年12月12日付で、環境省から、産業廃棄物の排出及び処理状況(平成24年度実績)が発表されました。 

産業廃棄物の排出・処理状況(平成24年度実績)
(1)全国の産業廃棄物の総排出量:前年度に比べ、約2百万トン(約0.5%)減少。
・平成24年度総排出量約3億7,914万トン(前年度約3億8,121万トン)

(2)業種別排出量:前年度と同様、上位5業種で総排出量の8割以上。
1 電気・ガス・熱供給・水道業 約9,647万トン(25.4%) (前年度 約9,558万トン 25.1%)
2 農業・林業        約8,572万トン(22.6%) (前年度 約8,471万トン 22.2%)
3 建設業          約7,412万トン(19.6%) (前年度 約7,540万トン 19.8%)
4 パルプ・紙・紙加工品製造業 約2,900万トン( 7.6%) (前年度 約2,990万トン  7.8%)
5 鉄鋼業          約2,866万トン( 7.6%) (前年度 約2,825万トン  7.4%)

(3)種類別排出量:前年度と同様、上位3品目で総排出量の8割以上。
1 汚泥     約1億6,464万トン(43.4%)  (前年度 約1億6,613万トン 43.6%)
2 動物のふん尿 約 8,543万トン(22.5%) (前年度 約 8,446万トン 22.2%)
3 がれき類   約 5,889万トン(15.5%) (前年度 約 5,984万トン 15.7%)

(4)産業廃棄物の処理状況:前年度に比べ、最終処分量が約5%増加。
・再生利用量 約2億 757万トン (54.7%)  (前年度 約2億    トン 52.5%)
・減量化量  約1億5,847万トン (41.8%) (前年度 約1億6,877万トン 44.3%)
・最終処分量 約 1,310万トン( 3.5%) (前年度 約 1,244万トン  3.2%)

平成20(2008)年以降5年連続で排出量が減少し続けています。
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産業廃棄物全体の排出量は減少傾向にあるにもかかわらず、その処理を担う産業廃棄物処理業者の数は減っていませんので、競争が激化していることは誰の目にも明らかです。

それによって産業廃棄物取引市場にどのような影響が生じるかについては、
当ブログ 2013年4月1日付記事 「「産業廃棄物処理業実態調査」からわかる同業界の実態」
をご覧いただければと思います。

個人的には、零細企業の割合が非常に高いという状況から、これまで以上に「コストを度外視した安値受注」が増えるだろうと予想しています。

原価計算ができるまともな処理企業にとっては、本来なら競争するべきではない局面での対応がまだまだ必要となりそうです。

その他、産業廃棄物の処理状況で前年と異なっている点としては、
最終処分量が1,310万トンと、前年よりも66万トン増加しました。

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最後に、日本全体での産業廃棄物処理フローをまとめておきます。

        産業廃棄物 379,137千トン
                |
                |
                |
       __________|_____________   
      ↓         ↓            ↓
   直接埋立する分   中間処理(焼却・    再生利用される分
             破砕他)される分
   5,822千トン 289,859千トン   83,456千トン
     (2%)     (76%)        (22%)
      |         |
      |         |
      |         ↓
      |     中間処理後に残るもの
      |     131,393千トン     
      |       (35%)
      |         |
      |         |
      |         |---→再生利用される分
      |         |    124,113千トン
      |         |      (33%)
      |         ↓
      |       埋め立てる分
      |       7,280千トン
      |        (2%)
      |         |
      |_________|
           |
           |
           ↓
      埋め立てられる分の合計
        13,102千トン
         (3%)

 ※各項目は、四捨五入してありますので、収支が合わない場合があります。

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