産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成28年度実績)

2019年4月15日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成28年度実績)について」が発表されました。

1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも272施設増加しています。

前年度よりも施設数が増えたのは、

「廃油の油水分離施設(+3【前年度の施設数との比較、以下同様】)
「シアン化合物の分解施設(+4)」
「PCB廃棄物の分解施設(+1)」
「PCB廃棄物の洗浄施設又は分離施設(+1)」
「廃プラスチック類の破砕施設(+41)」
「木くず又はがれき類の破砕施設(+343)」
「その他の焼却施設(+10)」
の7施設でした。

2.産業廃棄物処理業の許可件数

事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がカウントされることになります。

2010(平成22)年改正で収集運搬業許可が都道府県知事に事実上一本化されたため、平成23年度から許可件数が激減しています。

しかしながら、平成28年度はこれまでの微減傾向から一転し、前年度よりも許可件数が6,443件増加しました。

「許可件数=新規許可+更新許可+変更許可」ですが、このうち「変更許可」については微々たる数値と思われますので、実質的には「新規許可+更新許可」と考えられます。

「新規許可」は、各都道府県で新たに産業廃棄物処理業を営む人
「更新許可」は、それまで許可を持っていた都道府県の許可を再更新する人
となります。

自主的に業許可を廃止する「廃止届」は2,098件と、前年度よりも416件増加しています。

3.取消処分件数の推移


こちらも「許可件数」と同様に、平成23年度から許可取消件数が激減しています。

その理由は、収集運搬業許可の合理化に伴い取消の対象となる許可そのものが減少したためと思われます。

平成21年度の1,249件という最高記録は、もはや隔世の感がいたします。

4.最終処分場の状況

平成28年度は、最終処分場の残余容量(埋立可能な容積)が前年度よりも増加しました。

管理型最終処分場のみが、前年度よりも残存容量を増やしていますので、平成28年度の間に大規模な管理型最終処分場の新規設置が重なったものと思われます。

その結果、最終処分場にあとどれくらいの期間埋立てられるかの目安となる「残余年数」が、平成28年度は全国平均17.0年と、前年度よりも0.4年延びました。

また、昨年度の統計の際に予想したとおり、「最終処分量」がとうとう1千万トンを下回り、989万トンとなりました。

その他

やはりと言うべきか、「法第19条の6に基づく措置命令」は1件もありませんでした。

「法第19条の5に基づく措置命令」はたったの3件と、最近の最小値だった平成27年度の5件をさらに下回る結果となりました。

措置命令が必要ないほどに、本当に平和であれば良いのですが、実態はどうなのでしょうか?

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