産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成28年度)について

2017年12月22日に、環境省から「産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成28年度)について」が発表されました。

環境省の発表内容によると、

1.平成28年度に新たに判明したと都道府県等から報告のあった不法投棄事案の件数は131件(前年度143件、-12件)、
不法投棄量は2.7万トン(前年度16.6万トン、-13.9万トン)

2.平成28年度に新たに判明したと都道府県等から報告のあった不適正処理事案の件数は132件(前年度261件、-129件)、
不適正処理量は7.5万トン(前年度40.7万トン、-33.2万トン)

3.平成28年度末における不法投棄等の残存事案として都道府県等から報告のあった件数は2,604件(前年度2,646件、-42件)、
残存量の合計は1,585.2万トン(同1,609.7万トン、-24.5万トン)  でした。

不法投棄量と不適正処理量の両方が前年度よりも減少しています。

行政サイドとしては、監視活動の強化の成果と解説をしたくなるところかと思います。

その説明がそのまま当てはまるケースも少なからずあったと思いますが、
個人的見解としては、行政の監視強化の結果というよりも、「経済状況の変化」という構造的な要因の方が大きいような気がしています。

右肩上がりの経済成長期には不法投棄が増加し、経済成長の停滞あるいは鈍化に伴い、不法投棄も減少していくという、経験則に伴う実感に過ぎませんが。

※参考 日本のGDP成長率の推移(1985年から2015年)

不法投棄実行者の内訳

平成28年度も、「投棄件数」の過半数は「排出事業者」が実行者でしたが、「投棄量」で見ると、「許可業者」が約7千トンで26%と、「排出事業者」の1万1千トン(42%)に次いで多くなっています。

しかしながら、「許可業者」による不法投棄件数はたったの6件でしたので、その6件の不法投棄件数だけで、許可業者の不法投棄量を大幅に押し上げてしまったことになります。

また、引き続き投棄量の約8割は建設廃棄物となっていますので、建設廃棄物の適正処理確保が今後も重要な課題となっています。

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