廃棄品が転売されやすい状況とは(ケース2 手が空いている作業員が多い)

昨日の記事「廃棄品が転売されやすい状況とは(ケース1 社長の意思が絶対的な会社)」では、産業廃棄物処理企業や社長の財務状況ひっ迫に伴い、廃棄物が転売されやすい状況を解説しました。

いわば、会社として組織的に横流しをしているケースとなります。

この場合、組織的に横流しを行うため、ビーフカツ3万枚と言った膨大な量の流出が起こりましたが、
今回ご紹介するのは、組織ではなく、個人が行う横流し事例となります。

そのため、以下のような特徴を持つことがほとんどです。

  • 転売される量は少量であることが多い
  • 少量である分、発覚もしにくい
  • 食品よりも、バッグなどの嗜好品、機器等、オークションで高値で売ることができる物が横流しされやすい
  • 企業規模とは無関係に起こる
  • 廃棄物の分別等の単純作業を外部企業に委託している場合にも起こりやすい

個別の商品のブランド価値を重視する企業にとっては、
無料で手に入れた廃棄品を、安値でオークションに出品されてしまうと、ブランドイメージがジワジワと毀損されることになります。

それでありながら、委託企業にとっては、ブランドイメージ毀損の状況さえわからないことが多いため、長期的には非常に大きな影響を及ぼすものとなっています。

企業ではなく、一従業員が勝手に廃棄品を横流しする以上、いくら企業が崇高な理念を掲げていたとしても、
個人が仕事中に空いた時間を利用して、廃棄品を隠匿することは防げません。

場合によっては、その企業の直接の監督対象者である従業員ではなく、先述した廃棄物の選別等の限定的な業務委託を受けた別企業の従業員が横流しをすることもあります。

こうした窃盗にも類する行為が起こる背景としては、

  • 作業をする時間が連続ではなく断続的である(作業の流れが効率的ではない)
  • 士気の弛緩(私語が多い)
  • 廃棄物保管場所が乱雑(廃棄品を隠しやすい)
  • 増員をしたが、何らかの事情で廃棄物の受入れ量が減った
  • 横流しをする従業員の借金

という状況がよく見受けられます。

次回は、横流しをされたくない場合の具体的注意点を解説します。

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