環境省が作成した「食品廃棄物転売の再発防止策」について

2016年2月25日付記事 「中央環境審議会循環型社会部会(第12回)を傍聴してきました」で、食品廃棄物の不正転売の再発防止策について議論されたことを既に書きました。

今回は、その議論の元になった、環境省が2月16日付で公表した「「食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための環境省の対応について(案)」について(お知らせ)」をご紹介します。

 本年1月に発覚した食品廃棄物の不適正な転売事案に対して、環境省としての再発防止策の案をとりまとめましたので、お知らせいたします。
 今後、この案について、有識者、関係事業者の御意見を伺うとともに、2月24日に開催される中央環境審議会循環型社会部会において御審議いただいた上で、その結果を踏まえて、再発防止策を速やかにとりまとめ、公表いたします。

1.趣旨
 本年1月に、愛知県の産業廃棄物処理業者が食品製造業者等から処分委託を受けた食品廃棄物が、食品として転売された事案が発覚いたしました。
 都道府県等による全国的な立入調査の結果、他に同様の事案の報告はなく、今回の事案は、一部の悪質な事業者によるものと考えられますが、一方で、本事案は、消費者の信頼を揺るがせた悪質かつ重大な事件であり、本事案を未然に防げなかったことを踏まえると、現時点で対応可能な再発防止策に速やかに着手することが重要です。このため、今般、環境省としての再発防止策の案を取りまとめることといたしました。
 本年1月29日の「食品安全行政に関する関係府省連絡会議幹事会」における申合せにおいて、関係府省が連携を密にして、事態に対処することとされたことを踏まえ、環境省としては、引き続き関係府省や関係自治体と連携して対処してまいります。

2.再発防止策の案のポイント
 再発防止策の案のポイントは、以下の3点です。
1.電子マニフェストの機能強化を図るため、不正を検知できる情報処理システムの導入を検討。
2.廃棄物処理業者に対して、抜き打ちの立ち入り検査等により監視体制の強化を図るとともに、処理状況の徹底した情報公開を求めること。
3.排出事業者に対して、食品廃棄物を廃棄するに当たり、そのまま商品として転売できないような形で廃棄することを要請。

3.今後のスケジュール(予定)
 今後、この案について、有識者、関係事業者の御意見を伺うとともに、2月24日に開催される中央環境審議会循環型社会部会において御審議いただいた上で、その結果を踏まえて、再発防止策を速やかにとりまとめ、公表いたします。

再発防止策の概要を1枚にまとめてくれています。
env

ブログに掲載できる最大サイズで画像を掲載しましたが、それでも字が読めないと思いますので、詳細は環境省の下記URL
(別紙1)20160216-再発防止策(案)の概要 でご覧ください。

ただし、再発防止策の主眼は上記の「再発防止策の案のポイント」3点ですので、概要と発表内容を読み比べる必要はありません。

この再発防止策で本当に防止できるのか?実効性はあるのか?等については、次の記事で詳細を書きますが、

個人的には、上の画像の左部分の真ん中あたりに書かれている

我が国においては、食品廃棄物等(年間約2800万トン(うち事業系が1916万トン)、このうち本来食べられるにもかかわらず捨てられている、いわゆる「食品ロス」が約642万トン(うち事業系が331万トン))が大量に発生している。

という部分の方が重要な問題提起ではないかと思いました。

ちょうど、今月届いたばかりのナショナルジオグラフィック2016年3月号で、食べられるのに廃棄処分される食品の問題が取り上げられていましたので、日本だけではなく世界中の国で共通して解決するべき問題だと感じました。

ナショナルジオグラフィック2016年3月号に関心がある方は、左の画像か、下のリンク先から購入することができますので、是非お読みください。
NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2016年3月号

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