社会的弱者を狙うモグリ廃品回収業者

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無許可で廃家電回収、高齢女性狙い10万円請求

神奈川県藤沢市の廃品回収会社「グローバルマネジメント」が、無許可で一般家庭などから廃棄された家電製品などを有料で回収していた疑いが強まったとして、宮城県警は10日、廃棄物処理法違反容疑で、神奈川、宮城県内の本社や支店計3か所を捜索した。

消費者庁も同時に、特定商取引法違反(不実告知)の疑いで本社などに立ち入り調査に入った。県警によると、警察と消費者庁が合同で捜索・調査するのは全国初という。

県警の発表によると、同社は自治体から一般廃棄物を収集運搬する許可を受けずに、仙台市など宮城県内1市2町で一般家庭などから廃家電などを有料で回収した疑いがもたれている。同社は全国各地で市街地を軽トラックで移動しながら、テレビや洗濯機などを無料で回収するとアナウンスし、回収後に高額の処理費用を請求していたとみられる。宮城県内では高齢の女性ばかりが狙われ、家電数点で2万~10万円を要求されたケースがあるという。
(2010年6月10日14時07分 読売新聞)

当ブログ関連記事 廃品回収にはご注意を
当ブログでも何度か取り上げたことがある題材ですが、一般廃棄物収集運搬業の許可無しに、一般家庭から廃家電などを引取るのは違法です。
「無償引取りだったら合法なのだ」と主張している行政関係者までいますが、法的には、使用目的で家電を買取る場合以外、つまり無償引取りも廃棄物の引取りに該当しますので、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

廃品回収のモグリ営業については、このように本来は誰が見ても違法性が明らかな犯罪なのですが、
「1回の回収で2,000円」とか、「軽トラで1日中走り回って1万円程度の売上」など、他の刑法上の犯罪と比べて「可罰的違法性に乏しい」ため、摘発が強化されることはありませんでした。

その他、上記のように、肝心の行政当局の間違った見解から、捜査当局が立件を断念したケースも多いと思います。

そのような状況下で、社会的弱者を保護するという大義名分があったにせよ、
明確に「一般廃棄物収集運搬業の無許可営業」と違法性を指摘し、捜査に乗り出した宮城県警の英断を高く評価したいと思います。

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コメント

  1. リカルド より:

      昔姨捨山と言うのがありましたが、現代はより非情に成っているようです。粗大ごみのようなおばあさん諸ともごみ処理業者が請け負いわずかな年金を取り上げられて乞食になるか自殺するしかない老人。いくら食物連鎖といえども昔のようにおんぶされながら山に捨てられ寒さと飢えの中で死んでいく老人のほうがよっぽど人情が有りました。現代社会では人間行き着くところは金です。

                        以上


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