墓石は産業廃棄物!?

毎日.jp 不法投棄:バチ当たりな、墓石投棄 空き地に2トン、土地所有者は困惑--茨城

民有地に墓石が不法投棄されるという、大変罰当たりな事件です。

同署によると、投棄された墓石は2トントラック約1台分で、古い墓石と新しい墓石が交じっており、墓碑が読めるものもある。同署は、墓石業者が墓の建て替えや、再開発で移転する際に捨てた可能性があるとみて、現場周辺の墓地や寺をあたっている。市廃棄物対策課の説明では、墓石は産業廃棄物に分類され、民有地にあるものは市が処分できない。相馬専務は「墓石は重くて個人では処理できない。(市が処分してくれなければ)このまま放置するしかない」と困惑している。

墓石を専門に扱う事業者は限られていますので、もはや犯人が見つかるのも時間の問題です。
墓碑銘が読めるということは、そこから故人の名を元に、墓地の管理者に該当墓碑がなかったかを聞いて回れば、すぐに元々あった墓所が特定できます。

捨てられた墓石の量が「2tダンプ1台分」ということなので、調査対象の墓石が若干少ないかもしれませんが、それほど大きな支障にはならないでしょう。

聞き捨てならないのが、神栖市が語る「墓石は産業廃棄物に分類され」の部分。
勝手に産業廃棄物の種類を増やしてもらっては困ります(笑)。
墓石は「がれき類」にあてはまると言いたいのでしょうが、墓石は故人を悼む対象物であり、国民の宗教感情に配慮する必要があるものです。
不法投棄されたから廃棄物と、すぐに断定するのは大きな間違いです。

廃棄物処理法的にも、墓石が産業廃棄物であるかどうかは解釈が分かれるところです。
「(通称)がれき類」とは、廃棄物処理法施行令第2条で、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不用物」と定義されています。
そのため、まず第1の前提条件として、工作物の新築や除去に伴って墓石が廃棄物になったのかどうかを考える必要があります。
第2に、捨てられた墓石は本当に不用物だったのかという点を明らかにする必要があります。

これらの点を明らかにしないまま、墓石を産業廃棄物と即断することはできません。

記事を読んでいると、廃棄物の撤去費用を負担したくないために、市側は「産業廃棄物だから土地所有者が撤去せよ」と強弁しているようにも見えます。

不法投棄物は市が撤去するべきとは思いませんので、まずは犯人を見つけ、その者に撤去と適切な処分をさせることが重要です。

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