廃棄物最終処分場経営の要諦

asahi.com 山梨地域ニュース 課題の現場を歩く〈4〉廃棄物最終処分場

山梨県が設置した公営廃棄物最終処分場である、明野最終処分場に関する記事です。

遮水シートの破損や、早くも巨額の赤字を計上するなど、芳しくないニュースばかりですが、
最終処分場が存在しない山梨県では、最終処分場を設置する必要性があるのも事実です。

しかしながら、「私の家の近所には建設しないでくれ」と思うのも当然です。

設置の必要性を理解していただき、住民の不安を解消するための万全の措置を講じるのが最終処分場を設置する際のリスクマネジメントの基本となります。

しかしながら、今回の報道を見る限り、山梨県のリスクマネジメントは非常に稚拙であったと言わざるを得ません。

もっともまずかったのは、埋立に供する期間として、たったの「5.5年」しか予定していなかったことです。

最終処分場は、埋立終了後も排水処理をし続けなくてはならない施設ですので、

本来なら、短期集中で埋立を完了させるのではなく、できるだけ長期にわたり
埋立量を平準化させ、排水処理に完璧を期すとともに、閉鎖後の管理費用を積み立てる
ものだからです。

明野処分場の場合は、その大原則を無視して、
「とにかく設置ありき」で、地元調整をうやむやにした感があります。

5.5年しか供用できないのであれば、最初から最終処分場を設置しないほうがましでした。

山梨県側に
「設置さえしてしまえば、供用期間の延長は容易も可能だろう」という目論見があったとすれば、
それは相当甘い認識であったと言わざるを得ません。

地元を騙しているつもりはなかったと思われますが、住民の側からすれば、「ごまかし」に
他ならない詭弁でしかありません。

進むも地獄、退くも地獄 の様相を呈してきた明野処分場ですが、
どの方向に進むにせよ、事態を打開するためには、行政側の
不退転の決意が必要となります。

関係者全員が満足する解決をするのは不可能と思われますが、
一人でも多くの人が納得できる解決策を探っていただくことを
望みます。

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