無許可廃品回収業者によるトラブル急増中

昨日(2/16)の日本経済新聞夕刊に、「廃品回収トラブル急増 「無料」うたい高額手数料」という記事が載っていました。

当ブログでも屈指(?)の人気テーマですが、被害が減るどころか、今年度の国民生活センターへの相談は過去最高の1,354件に上っているそうです。

被害に遭いやすいのは、一人暮らしのお年寄りや女性などの社会的弱者ばかりですので、行政・警察はいよいよ本腰を入れて対策を取る必要があります。

現実問題として、自治体の中には、「無料回収なら有価物だから違法ではない」というトンデモ法律解釈を実行し、不作為のもっともらしい理由にしているところがたくさんあります。

無料で回収するということは、元々の占有者自身が「価値が無いもの」と思っていた証拠であり、主観的・客観的にも有価物ではありません。

ゆえに、昭和50年代から、ベーシックな行政解釈としては、「無料回収=廃棄物処理業」という解釈に基づき、業許可の取得を義務付けてきました。

「動くのが面倒だから」という理由で、法律を恣意的に捻じ曲げ、道理と反する解釈を振りかざすことは、法治国家の行政組織がやってはならない蛮行です。

廃棄物処理業の無許可営業は、重大な法律違反行為であり、警察が直接行為者を取締ることができる「直罰対象」となっています。

警察も大変忙しいとは思いますが、振り込め詐欺などと同様、社会的弱者の弱みに付け込む卑劣な犯罪ですので、本腰を入れて検挙をして欲しいものです。

もちろん、消費者側としても、廃棄物処理法の正しい知識を身につけ、違法なモグリ業者には声を掛けないことが重要です。

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コメント

  1. 櫻井 より:

    初めまして。福岡在住なんですが、自分の経営する飲食店の
    入り口に、家電無料回収業者が居座って、家電その他のゴミの山になって、飲食店の前なので非常に迷惑で、市役所、警察などに相談しましたが
    有価物なので、違法ではないと、業者の味方みたいな答えしかなく
    どうしたら良いのか頭を痛めております。

    毎日ネット検索で事例や対応方法を検索してましたらヒットしました。

    なにか良いアドバイスなどありましたら是非力をかしてください。

  2. 尾上雅典 より:

    櫻井 様

    無料で廃品を回収している場合は、有価物とは言えませんので、明確な違法状態と言えそうです。

    ただし、スクラップなどの金属回収を目的にした無償回収の場合は、有価物ではありませんが、専ら物として業許可の取得不要となりますが。

    行政が動かない場合は、議員さんに相談するなどして、多方面から行政にプレッシャーを与えることも有効かと思います。


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