八戸市が船舶解体のメッカになる?

asahi.com 廃船リサイクルに商機 八戸周辺、事業化研究会に60社

青森県八戸市などで船舶の解体を行っている事業者たちが研究会を設置して、廃船リサイクルの拠点として名乗りを上げようとされているそうです。

環境への影響や、船舶を作っている日本の製造事業者としての責任を考えると、大変素晴らしい取組と思います。

おそらく、安全に解体する技術は問題ないと思われますので
これから課題になってくると思われるのが、
「解体に伴うコスト」と、「そのコストを誰が負担するのか」
そして、「解体で発生したスクラップの需要」の3点です。

「船舶リサイクル法」などを制定し、リサイクル料金は造船会社の負担とする
などと決めてしまえば、上記の問題のうち、2つは一挙に解決します。

もちろん、そのような法律ができた場合
造船会社のみならず、船舶を使用する会社や、そのサービスを受ける
消費者に対して、最終的にコストが賦課されることになりますので、
船舶を利用する人・事業者全体で(おそらく)高額なリサイクル費を負担する
ことになります。

もう一つの現実問題として、リサイクルで発生した鉄の需要がどうなるか
という問題を解決する必要があります。

鉄の需要は、リサイクル事業者側では解決できない問題であるため、
「鉄鋼会社と組む」か「国外に輸出」の二者択一しかありません。

いっそのこと、良質な鉄鋼原料として、日本の高い技術でスクラップを
回収し、高い値で引き取ってくれる外国に輸出するという戦略も十分
あり得ると思われます。

今後の世界では、資源を持っている国の発言力が増すことは確実ですので、
鉄スクラップは日本産の天然資源ではありませんが、他国に必要とされている
今だからこそ、いずれ必要とされなくなる時代を見据えて、戦略的に輸出を
する必要があります。

「八戸・むつ小川原港シップリサイクル研究会」に大きな期待を寄せています!

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