一般廃棄物大手処理業者の許可取消に伴う後始末

YOMIURI ONLINE 和歌山版 田辺市ごみ収集 大手業者欠格市直営に から、企業名や個人名を削除した状態で抜粋、転載します。

 田辺市は1日、市内の家庭ごみ収集を委託している市内最大手企業の役員が道路交通法違反で有罪確定したとして、一般廃棄物収集運搬業の許可を取り消し、今後、同社の従業員17人を臨時雇用して市直営で家庭ごみ収集を行うと発表した。事業所ごみについても、同社の元従業員らが急きょ設立した廃棄物処理事業者が1日付けで市から許可を取得し、業務を受け継ぐ。処分した会社の元従業員たちが実質的に業務を続ける形となるが、市は「収集業務が滞ることをしのぐためにはやむを得ない」と釈明している。

 許可を取り消されたのは、同市の産業廃棄物処理会社。市によると、同社役員が昨年3月、道交法違反(酒気帯び運転)の罪で有罪判決を受け、確定していたことが先月、判明し、廃棄物処理業の欠格要件に該当するため、処分した。

 旧市内のごみ収集は、同社を含む3社が委託を受けているが、同社は旧田辺市家庭ごみの6割、事業ごみの8割を収集。他の2社では補えず、市は市民生活への影響を避けるため、同社の従業員17人を臨時雇用し、同社から収集車6台を月額計60万円で借り、収集することにした。

 事業所ごみについても、道路交通法違反事件後に同社の別の元従業員ら17人が新たに設立した事業所が担うという。

 市は「新たに入札を行うことも検討したが、事務手続きに手間がかかるうえ、直ちに代替できる業者がない」と説明している。

田辺市内においては、一般廃棄物の収集の大部分を欠格要件に該当した企業が担当していたため、市側が同社の車両と人員を借り上げてでも、収集事業を継続しなければならないという事情があったようです。

通常の場合なら、行政がここまで親身に対応してくれることは有り得ません。

欠格要件に該当した段階で、自動的に会社の許可が取り消されて、「ハイそれまでよ」で終わりです。

企業が倒産したとしても、従業員が路頭に迷うことになったとしても、行政が救済してくれることはありません。

今回の場合でも、従業員を救済するために臨時職員として雇用したわけではなく、そうしないと市内のごみ処理事業が滞るという、背に腹を変えられない状況があっただけです。

行政の側としても、今後は一社のみに市内のごみ処理の大半を委託するという状況が、議会や監査などで問題視される機会が増えるかもしれません。

今回の事件でも、一社ではなく、三社程度で均等なシェアを維持していれば、ある程度まで従来通りの委託方法で対応できたと思われます。

しかしながら、市のごみ処理事業に民間事業者が協力してきた経緯や、地域というよりは業界の閉鎖性の問題がありますので、冷徹に「委託先を増やせば良い」と言うだけでは、問題は解決しないのが現実です。

ただ、世の中の流れとしては、一般廃棄物処理業においても、競争の波がやってきているのは間違いありませんので、
行政と既存の一般廃棄物処理事業者の双方に、正しい「未来予測」と、正しい「変化の準備」が必要となっています。

「今まではこうだったから、この先ずっと同じやり方を踏襲する(または踏襲せよ)」では、通用しない時代になります。
いえ、正確には、もう既にそうなっています。

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