反社会勢力の排除と世間知らず

まずは、群馬県の許可取消情報から
【1月26日】産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(廃棄物・リサイクル課)

当ブログでも 既報ですが 不法投棄をしていないのに逮捕?
暴力団の関与を隠して許可を取得したことで罰金刑が確定し、収集運搬業の許可が取消されました。

法人及び代表取締役に対して廃棄物処理法違反に基づく罰金刑が科された時点で、この法人の許可は取消される運命に確定しました。

そのため、商号や代表取締役をその後に変更したところで、このように許可は取消されることになります。

逆に、「廃棄物処理法はこれだけ緻密に反社会勢力の排除をしているんですよ」という証拠でもあります。

ただし、実際には、今回の事例のようなわかりやすい形で暴力団が関与している処理業者というのには、
私は11年間の経験上ほとんどありません。

特に、ここ5年間ほどは、出くわしたことが皆無です。

過去とは違い、廃棄物処理業は簡単に儲かる事業ではなくなったので、
お手軽な収益を求める暴力団なども自然に撤退しているように思います。

次は、これまた有名な事件の続報です。
日本経済新聞 岐阜県に300万円賠償命令 地裁「調査不十分で管財人を告発」

破産管財人である弁護士が無許可業者に廃棄物を処理委託し、県から刑事告発を受けましたが、不起訴になりました。
それを不名誉に思った弁護士が、逆に岐阜県を訴えたという裁判です。

この事件、一言で言うと「お粗末」の一語に尽きます。
地検の不起訴処分をもって、「破産管財人は排出事業者には当たらない」とは言えないと思います。

たしかに、破産管財人は廃棄物を「排出」はしていませんが、
最後まで適正に処理する責任を持った事業者であるのは間違いありません。

また、「告発によって弁護士としての名誉を傷つけられた」とありますが、
法律のプロである弁護士が、廃棄物処理法の基本を知らずに、無許可業者に委託したという事実の方が不名誉であると思います。(^_^;)

まぁ 弁護士さんと言えど、日本のあらゆる法律に知悉しているわけではありませんので、
「たまたま」廃棄物処理法を知らなかったとしても仕方がない面がありますが、
「法律家」としての矜持を失わないで欲しいなあとも思いました。

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コメント

  1. ゆーき より:

    いつも楽しく勉強させていただいてます。
    お聞きしたいのですが産業廃棄物の収集運搬許可の申請をする流れとして排出事業者様の委託を受ける必要があると聞きました。
    委託を受けたいから許可をとるのではないでしょうか?許可もないのに委託は受けれませんよね!何か矛盾していますが!やはりこの手順が必要なのですか?だとすればどーすればよいのですか?教えて頂けますか?

  2. 尾上雅典 より:

    ゆーき様 コメントありがとうございました。

    無許可業者への委託は刑事罰に問われますので、現実的に、許可申請の前に委託を受けるのは不可能ですね。

    おそらく、その行政の申請方式としては、

    排出事業者として「予定」している事業者の名称や、所在地などを記載させるという
    ものではないでしょうか。

    まれに、「予定」排出事業者から押印をもらってこい、という自治体もありますが、
    いずれにせよ、許可なしに委託を受けることは不可能ですので、
    委託予定があるということの「証明」や「確認」という位置づけになります。

    とはいえ、排出事業者にきちんと説明をして、しかるべき情報を記載しないと
    いけませんので、手間であるのも事実ですが、こればかりは行政が求める様式で書類を作成しませんと、どうしようもないところでもあります。

  3. さくパパ より:

    岐阜のタイルの件です。
    鈴木裁判長は「破産管財人は、事業者の典型的例ではない。~。」と判断したようですが、破産管財人が排出事業者責任を引き継がないと、なんだかおかしなことになってしまうような気がします。
    処理責任はどこに行ってしまうのでしょうか?

  4. 尾上雅典 より:

    さくパパ 様 コメントありがとうございました。

    判決文を読んでいないので、渦中の弁護士さんのコメントから推察しただけなのですが、
    http://mainichi.jp/area/gifu/news/20120202ddlk21040089000c.html

    尾関弁護士には1回の事情聴取をしただけで告発していた。尾関弁護士は「県のやり方はずさんで、私個人への攻撃と疑うほどだった。告発対象者の弁明を十分に聞くという基本的な対応を怠った」と批判した。

    とのことですので、告発に至るまでの手続きに不適切な対応があったようです。

    今回の裁判は、岐阜県の告発手続きに違法性があったかどうか、が論点のようですので、

    破産管財人に適正処理責任がないとは言えないですね。

    無許可業者への委託が違法であることは、弁護士さん自身も認識されているようですので、反面教師として啓発をしてほしいものですね。

  5. ゆーき より:

    ありがとうございました。
    頑張って申請書作成します。


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