ホタテの貝殻不法投棄事件
7月4日付の当ブログ記事 「漁師が海にゴミを捨てる」時代 の続報です。
毎日新聞 陸奥湾のホタテ貝殻不法投棄:容疑の漁業者13人を書類送検 /青森
ホタテ養殖で出た貝殻約2トンが陸奥湾に不法投棄された事件で、青森海上保安部は10日、青森市と蓬田村の漁業者13人を海洋汚染防止法違反の疑いで青森区検に書類送検した。
摘発時は青森市油川大浜、漁船「恵漁丸」(6・1トン)所有者で市漁協理事(70)ら12人だったが、その後の捜査で新たに1人の容疑が発覚、送検されたのは計13人となった。
同海保によると、恵漁丸など計10隻は6月1〜8日の間、ホタテの選別作業で発生した貝殻などの残さ約2トンを、油川沖や蓬田村沖に不法投棄したとしている。
10隻は示し合わせたのではなく、個々に不法投棄したらしいが、動機については一様に「処分にかかる手間と費用が惜しかったのでやった」などと話しているという。
投棄された場所が海洋上ということもあり、今回は廃棄物処理法ではなく、「海洋汚染防止法」で処罰されることになったようです。
ちなみに、海洋汚染防止法の不法投棄に対する罰則は、
第五十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、千万円以下の罰金に処する。
一~二 略
三 第十条第一項の規定に違反して、廃棄物を排出した者
となっており、廃棄物処理法とは違い、懲役刑が予定されていません。
しかしながら、罰金の上限が1,000万円以下となっていますので、こちらは廃棄物処理法の罰金上限と同じですし、海洋汚染防止法にも両罰規定があります。
現実的には、廃棄物の不法投棄の場合でも、初犯で反省の跡がうかがえる場合は懲役刑は執行猶予されるのが一般的ですので、海洋汚染防止法の刑罰がことさら軽いというわけではありません。
また、海洋汚染防止法の場合は、廃棄物処理法とは違って不法投棄の除外規定を設けています。
海洋上で、船舶の安全な航行のためには、場合によっては廃棄物を海洋に投棄できるケースがあるということですね。
海洋汚染防止法の第10条に、このあたりの除外規定が書かれていますので、興味のある方はご参照ください。
追記 ヘキサメチレンテトラミン規制の話については、お盆が終わった頃にアップする予定です。
« ヘキサメチレンテトラミン騒動後始末 Vol.1 千葉市職員が不法投棄 »
タグ
2012年8月13日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:news