千葉市職員が不法投棄

お盆ですので、涼しげなニュースのご紹介。

東京新聞 千葉市職員が不法投棄 幕張花火大会ごみ 匿名メールで発覚

 千葉市は十四日、市集客観光課の職員が、今月四日に幕張海浜公園(美浜区)で行われた幕張ビーチ花火フェスタで発生したコンクリート片などを不法投棄し、市長から産業廃棄物処理法に基づく改善命令を受けたと発表した。市は投棄物を回収し、職員に法令順守を徹底させ、再発防止に努める。

 同課によると、不法投棄したのは四十代と三十代の男性職員二人。六日に公園管理者の県から「花火大会で出たごみが散乱している」との連絡を受けた。職員二人は七日午後一時半から回収作業を始め、コンクリート片とブロック片など〇・〇六立方メートル(三十個程度)を回収し、公園から約六キロ離れた黒砂水路河口(同区)に不法投棄した。八日、市環境局に不法投棄の日時や場所、公用車の車両番号が写った写真付きの匿名メールが届き発覚した。

 コンクリート片などは、花火大会で観客がシートの置き石として使ったものとみられる。市産業廃棄物指導課の事情聴取に職員は「石と同じでごみにあたらないと思い海に捨てた。指摘されるまで気づかなかった」と話した。市は職員の処分も検討している。

1.千葉県管理の幕張海浜公園に投棄された廃棄物の回収を、千葉県が千葉市集客観光課に依頼

2.千葉市集客観光課2名が、公園内に散乱していたコンクリート片やブロックを回収

3.千葉市集客観光課2名が、ブロック等を河口に投棄
したために、千葉市への匿名通報で犯行が発覚。

「3」で公園から6kmも離れた場所で不法投棄をするくらいなら、
この段階で千葉市の清掃工場か最終処分場に搬入していれば、何の問題も発生しませんでした。

廃棄物処理法的には、今回の事件で投棄されたブロック片などは「一般廃棄物」になりますので、千葉市内の横の連携で問題はすべて解決できたはずです。

これだけだと別に涼しくもなんともありません(笑)。

私が涼しさを感じたのは、千葉市産業廃棄物指導課の対応です。

通常、このような自治体職員による不法投棄自体がほとんど起こりませんが、
身内の組織に対し、千葉市が粛々と改善命令を発出したことは賞賛に値すると思います。

もちろん、千葉市産業廃棄物指導課が行った行動は、行政としてすべて当然やるべきことなのですが、
例外を作ることなく、法令に忠実に従って行動することこそが、コンプライアンスの基本です。

最近ではオリンパスの不祥事のように、身内の組織に対しては追及ができないというのが、日本の組織に共通する問題ですが、
そのような〝聖域”を設けていては、コンプライアンスを維持することは不可能です。

今回の千葉市産業廃棄物指導課の改善命令は、やって当たり前の行動であったとしても、コンプライアンスの基本原則を示す重要な指針として、我々も見習わねばなりませんね。

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コメント

  1. 磯田 幸雄 より:

    私は企業で環境関連の業務をしています
    環境関連の法律を調べるのも業務の一部です

    いつもメールをありがとうございます
    勉強させていただいています

    今回のメールの、
    廃棄物処理法的には、今回の事件で投棄されたブロック片などは「一般廃棄物」になる
    について教えてください
    ご多忙中ですがよろしくお願いします

    「一般廃棄物か産業廃棄物かの判断基準 Vol.1」 では、下記のように書かれています

    活動の営利性とは無関係に、組織や団体の活動として行われるものは事業活動に該当します。→産廃に該当する

    金属バットの例も書かれています

    幕張ビーチ花火フェスタは千葉市の事業であるため、廃棄物は産廃に該当するように思いますがいかがでしょうか

    以上、よろしくお願いします

  2. 尾上雅典 より:

    磯田 幸雄 様 ご質問ありがとうございました。

    今回の事件で投棄されたブロック片は、元々祭りに来た人が場所取りのシートの重し用に持ち込んだものだそうですので、不法投棄された一般廃棄物になりますね。
    そのため、それを回収した千葉市が処理責任を持つ一般廃棄物ということになります。

    もし、千葉市がブロック片などを設置したような場合は、千葉市が排出した廃棄物と言えますが、工作物の除去に伴って発生したブロック片でないため「がれき類」にはならず、やはり一般廃棄物となります。


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