インドの電子廃棄物リサイクル事情

朝日新聞 電子機器リサイクル、環境は後回し インドで汚染深刻化

機器を分解し部品を選別する業者は、住宅が密集する路地裏に点在していた。ガスバーナーでハンダを溶かし、部品をそぎ落とす。プラスチック製基板は燃やして砕き、灰の中のわずかな銅まで回収する。灰色の煙が舞い上がり、汚水は川に流れるがままだ。

 環境負荷が問題視されるようになって、業者は取り締まりなどへの警戒心を募らせる。夜、配線ケーブルを野焼きして銅を回収する現場に近づこうとしたが、案内役の地元カメラマンが手を大きく横に振った。「だめだ、連中は銃を持っている」

当局の取締りに対して銃で対抗するというところが物騒ですが、
リサイクル(=環境汚染?)手法自体は、他の発展途上国と同様の原始的なものです。

人件費の安さを武器に手作業中心で、環境汚染を顧みることなく、汚水の垂れ流しや野焼きが横行しています。

中国などでもそうですが、電子廃棄物の取り外しなどを集落一帯の生活源としている地域があり、自分たちの生活の糧を得るためにも、地域全体で一致団結して(?)環境汚染を生み出しています。

もちろん、記事にもあるとおり、インド政府もこの現状を問題視しているようです。
JETROニュース 電子廃棄物規制、業界の反発で緩和−最終版ガイドライン発表− (インド)

 情報通信機器や家電製品を製造販売する企業に対し、回収センター設置などの義務を課す電子廃棄物規制が2012年5月1日から施行された。しかし、実施細目を定めたガイドラインが企業に過剰な負担を強いるとの声が業界から強まり、7月末に発表された最終版ガイドラインでは企業負担にかかわる内容が大幅に緩和された。

融通無碍と言いましょうか、簡単にガイドラインの内容が変わるということは、今のところ、インド政府は環境対策よりも経済成長を重視しているようです。

その結果、電子機器メーカーが十分な廃棄物処理体制を講じず、地方都市でのずさんなリサイクル頼りになっています。

日本も昭和50年代当時は、この記事にあるような野焼きによる金属回収が幅広く行われていました。

現在それが行われていないのは、安価な「剥離機(被覆だけをはがすことができる機械)」が普及したことが主因です。

インドや中国などにも、こういったローテクの機械を普及させることはできないのでしょうか?

個人的には価格を落とせれば、市場のパイが大きいだけに十分普及可能だと考えています。

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