町有地に置かれた廃棄物混じりの残土

11月6日付下野新聞 コンクリート片を確認 塩谷町町有地で掘削調査

 船生の天頂工業団地内の町有地に産業廃棄物が不法投棄されている疑いがあるとして地域住民が町に対策を求めている問題で、町は5日、重機を使った掘削調査を行い、残土に混じってコンクリートやアスファルト片が確認された。

 コンクリートなどは産業廃棄物に該当するため、県は廃棄物処理法に抵触する可能性があるとして、残土を搬入した4業者から事情聴取を行う方針。町も町内の入札参加資格者名簿登録業者16社の事情聴取と、町有地の水質検査実施を決めた。

 調査には見形和久町長をはじめ、町議、町職員、地域住民、県県北環境森林事務所の職員ら約50人が参加。13カ所を深さ2~7メートルまで掘削した。調査した残土量は250~300立方メートルで、確認された産業廃棄物は1~2立方メートルだった。

 同森林事務所によると、コンクリートやアスファルト片が確認されたが、産業廃棄物だけを投棄した形跡は確認されなかったという。

 見形町長は残土について「業者の事情聴取や水質検査をした上で、県と相談しながら対応したい」とした。

 町によると、残土は2003年ごろから一時保管されるようになった。09、10年の2年間では4業者によって約1万5千立方メートルが搬入されという。全体の残土量は1万6千立方メートルと推定。搬入の際、町職員によるチェックはなかったという。

不法投棄と言えなくもないですが、どちらかというと実態は、残土に若干の廃棄物が混入した状態のまま残土置き場を使用し続けたということだと思われます。

掘削調査した残土300立方メートルに対し、見つかった廃棄物の量がわずか2立方メートルですから、廃棄物の量は0.7%程度となります。

もちろん、1%以下の混入率だから残土扱いできるとは決して言えません。

廃材を残土に混ぜて不当に町有地に捨てようと思ってやった行為であれば、不法投棄にあたります。

しかしながら、残土に廃棄物を絶対に混ぜてはいけないというのは簡単ですが、あまりにもそれを徹底しすぎると、廃棄物が少量でも混入された残土はすべて廃棄物として扱わなければならなくなり、本来はそこまでコストをかける必要がない廃棄物をいたずらに増やすだけとなります。

塩谷町としては、町有地に廃材が埋められた格好となり、建設業者に責任追及をしなければ町民から批判を受けるということで、少し大げさに調査をしたというところでしょうか。

埋められたものが少量の建設廃材だけなのであれば、地下水を汚染することはほぼ考えられませんので、町有地から廃材を全量撤去する必要はないと思います。

ただし、上述したように、塩谷町としては責任問題の発生を防ぐためにも、残土を搬入した建設業者に廃棄物の掘り出しと撤去を求めるという落としどころになるのではと思います。

念のために、今回のニュースの補足をしておくと、
少量だからと言って、意図的に廃材を残土に混ぜ込んで残土処分場に持ち込むのは、やはり不法投棄です。

しかし、建設現場では、意図しない形で残土に廃材がごく少量混じるというのも避けがたい現実です。

意図的な混入であるかどうかを判断する数値的な基準というものはありませんので、混入した廃材の性状や量などを見て、常識的な観点から意図的かどうかを判断するしかありません。

くれぐれも、「少量だから廃材を残土に混ぜてもOK」などとは思わないようにご注意ください。

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