沖縄で公共関与型管理型処分場設置の動きが始まる

今年の9月に沖縄県で講演をさせていただいた際、
沖縄県環境整備課の職員の方から、「沖縄県では管理型処分場が逼迫しつつある」とお聞きしました。

沖縄県としても、その状況に手をこまねいていたわけではなく、平成17年頃から県内の最終処分場の適地の検討を進めていたようです。

その後の地元調整を経て、最終的には名護市の安和地区に、公共関与型の管理型処分場を設置することを決定されました。

11月21日付毎日新聞 産業廃棄物:安和に産廃最終施設 3セクで14年度着工へ/沖縄

 県が民間と共同で整備する産業廃棄物管理型最終処分場の建設地について、県は3候補地から名護市安和とすることを20日までに決めた。11月県議会に処分場の整備運営に当たる第三セクターへの出資金5千万円を補正予算案として提出。本年度内に業界団体や経済団体も出資した株式会社を設立して地元との調整を進め、2014年度着工を計画している。県は07年に最終処分場の候補地を名護市安和、本部町崎本部、浦添市伊奈武瀬の3カ所に決定。3カ所とも地元が反対していたため、調整を続けてきた。

 計画によると、施設容量は15万立方メートル、敷地面積は1・5ヘクタールで、県内最大規模となる。第三セクターについては、14年度までの3年間で県が出資額の34%に当たる10億円を拠出する。県産業廃棄物協会や県工業連合会など業界、経済団体に出資を募るほか、琉球セメントなど地元企業や名護市にも参画を呼び掛ける。

 県内の既存3最終処分場は残余年数が3・3年(10年度、3万7744立方メートル)といわれ、新たな処分場建設が急務となっている。3候補地の中で安和区は住民説明会や先進地視察などを行ってきた。県は地元と環境保全策や処分場使用後の跡地利用などについて手厚く説明し、地元の理解を得るとしている。

 処分場の使用年数は15年程度であるため、県はほかの2カ所も候補地として保留する意向だ。

 名護市安和区の幸地隆作区長によると、15日に県から説明があったが、区としての賛否は保留しているという。同区は年内をめどに住民説明会を開いて、住民の総意をまとめる。幸地区長は「地域のためになるのであれば受け入れるが、反対の意見もある。理解を求めながら進めたい」と話した。

9月に沖縄に行った際、年末ごろゆっくりと観光したいと思っていたところでしたので、この最終処分場候補地を実際に見に行ってみようと思っています(笑)。

そのため、名護市のどのあたりにあるのかを確認するため、沖縄県庁のHPを軽く検索してみましたが、具体的な所在地まではわかりませんでした。
おそらく、どこかのページには具体的な所在地に関する情報が掲載されているのだと思いますが、そこにたどりつく前に諦めてしまいました。

代わりに、上述した沖縄県が県内での適地を検討していた際の資料を見つけ、Googleマップの航空写真と照合してみると、下記の赤丸で囲った砕石場跡地が候補場所ではないかと思いました。

※沖縄県関係者の皆様 候補地と想定した場所が間違っていましたら、その旨ご指摘いただけると幸いです。

記事には砕石場跡地と書いてありませんので、正しい推測がどうかはわかりませんが、それが正しいという前提で考えると、
砕石(採石)場の跡地というのは、最終処分場の場所としては理想的なものです。

長年の採石事業の結果、山肌がえぐられ、廃棄物をすぐ埋立てられる状態にあり、
大型ダンプが通行できる広めの道路も設置されている、
また地盤が強固な場所であることが多く、
水を地下に通しにくい地盤であることも多い。

そして何より、えぐられた山肌を修景するためには、かなりの盛土と植樹が必要になりますが、それと土地の有効活用の一石二鳥を狙えるのが、最終処分場と言えるからです。

ただし、これはあくまでも一般論ですので、それを受け入れる地域の方にとっては、得体のしれない事業に見えるであろうことは想像に難くありません。

そこは公共関与型の処分場ですから、相当丁寧にリスクコミュニケーションがなされるであろうと期待できますし、沖縄県としてもじっくりと腰を据えて説明などを行っていくのだろうと思います。

鹿児島県でも同様の公共関与型の最終処分場設置が進められつつありますが、
こちらは地元との調整がうまく進んでおらず、泥沼の紛争状態を呈しつつあるようです。

沖縄県のリスクコミュニケーション手腕に期待したいと思います。

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もちろん私のことではありません(笑)。

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