日光市の廃業ホテルの後片付けにかかる手間

日光市が民有地の廃棄物を公費で撤去 の続報です。

11月21日付 毎日新聞 日光市:藤原の廃業ホテル周辺、ごみ撤去始める 不法投棄、推計30トン /栃木

 日光市は、同市藤原にある廃業ホテル周辺に不法投棄されたごみの撤去を始めた。テレビなど粗大ゴミを含めて推計20〜30トン。約1カ月かけて運び出す予定だ。合わせて、鬼怒川・川治温泉観光協会が不法投棄防護柵を設置する。

 市によると、ホテルは99年に閉館したまま。数年前から、ごみの不法投棄が目立ち始めた。ホテル前の道路脇を東武鬼怒川線が走り、車内からは散乱したごみが丸見えだ。鬼怒川沿いにあり鬼怒川公園駅にも近く、観光客からの苦情も寄せられるようになった。

 市は今年6月、地元からの相談を受け環境、衛生的にも問題があると判断。10月、連絡が途絶えていた所有者から撤去の了承を取り付けた。

 撤去を始めたのは19日。テレビや冷蔵庫、便器などの粗大ゴミや不燃物のほか、本などの可燃物を業者4人が分別して2トントラックに積み込み搬出した。

 鬼怒川・川治温泉では、足利銀行破綻に伴い、地域再生事業を導入。その際、廃業したホテル・旅館を撤去し、跡地は公園などに生まれ変わった。国の資金で廃業ホテル・旅館を買い取り、所有者がその資金で撤去した。だが、このホテルは土地と建物の所有者が異なっていることから、解体・撤去が進まなかった。この廃業ホテルの対岸に宿泊する観光客からは「不気味」「気味が悪い」などの声が寄せられているが、廃業ホテルの撤去には見通しが立っていない。

眺望を楽しみに宿泊に来ているのに、目に入るのが不法投棄されたゴミしかないのであれば、苦情の一つも言いたくなるのが人情ですね。

リンク元のサイトには、撤去風景の写真が掲載されていますが、粗大ごみ扱いになるような大型の廃棄物も混じっているようです。

今回のケースの場合、民有地内の廃棄物撤去にあたるため、日光市はかなり慎重に判断を行われたようです。

写真を見る限り、便器や可燃物まで捨てられていたようですので、廃棄物を放置すると生活環境保全上の支障があるとも考えられますから、廃棄物の撤去に踏み切って正解だったと思います。

ただし、土地所有者が一定の土地管理の意思を示している場所のようですので、行政がその場所の廃棄物を無償で撤去することには、モラルハザードの問題もあります。

一番望ましいのは、昔のように観光地全体が観光客でにぎわうことなのでしょうが、
温泉地に宿泊せずとも、日帰りで都心に帰れるというアクセスの良さが逆にネックとなっているようです。

ゴミの不法投棄問題は、行為者のモラルだけでは片付かない面がありますので、日光市において今後も同様の問題が発生しないことを祈るばかりです。

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