城崎にて割り箸リサイクルの新手法が出現

割り箸が環境破壊の代名詞のように誤解され、飲食店からの駆逐が進んでいるところですが、
衛生面や木材の有効利用のためにも、もっと割り箸の価値が認められても良いと思っています。

ただ箸として使うだけではなく、使用後に何らかの形で有効活用できると良いのですが、ごく少量の炭に加工するくらいしか使途がありませんでした。

そんな中、温泉地の城崎で、毎年大量に発生する割り箸をおがくずと一緒にペレット化し、ペレットストーブの燃料として活用する事業が始まったそうです。

2013年7月2日17時31分 読売新聞 城崎にてリサイクル…旅館の割り箸、暖房燃料に

 全国有数の温泉地として知られる兵庫県・城崎温泉街(豊岡市城崎町)で、旅館や飲食店で使われた割り箸を回収し、地域の公共施設などにあるペレットストーブ用の燃料に再利用する取り組みが始まった。

 環境省や林野庁によると、割り箸のリサイクルは全国的にも定着しておらず、地域内で循環させる試みは珍しいという。夏の観光シーズンに大量の割り箸を集め、無駄のないリサイクルを目指す。

 城崎温泉街では約80軒の旅館と約60軒の飲食店が営業。年間40万人以上が宿泊し、朝食と夕食だけで割り箸は約80万膳が用いられる。この活用策を豊岡市商工会青年部城崎支部などが検討。市が間伐材などを有効利用する環境施策として、おがくずを固めて燃料にするペレットストーブの導入を進め、公共施設や学校に320台が設置されていることに着目した。

 今年4月、町内4か所に回収ボックスを設置。集まった割り箸は9月上旬には市内の業者に持ち込んで、おがくず80%、割り箸20%の割合でペレットにし、これを同支部や市が購入。公民館などのストーブに使う。おがくずだけのペレットは1キロ45円程度で、割り箸を混ぜても同じくらいの価格になる見込みという。

 朝食に出すことが多い竹の割り箸は、燃やすと油が出てストーブを故障させるため分別などに手間がかかる。しかし廃棄費用を節約できるため、大半の旅館・店舗が協力的だという。

 同温泉街で消費される割り箸を活用すれば年間3・5~5トンのペレットが生産でき、ストーブ1台で3500~5000時間燃やせる量になるという。これまでに約3万2500膳分(約131・5キロ)が集まっている。

夏季に発生した割り箸を大量に保管するため、割り箸の洗浄が不可欠となっている点が唯一残念です。

汚れを落とす手間と水の使用量が増えるからです。

ただし、箸として再使用するわけではないので、簡単に汚れを落とすだけで良いのであれば、それほど大きな手間もかからなさそうです。

城崎は冬季は降雪があるため、ストーブの使用が欠かせない地域ですが、
夏季から集めた割り箸を燃料ペレットに加工すれば、
地域で発生した廃棄物を、地域で加工し、地域で燃料として消費できます。

非常に美しいリサイクルループです。

日本の森林資源の大部分は未活用のままですが、割り箸の利用がもっと進めば、森林資源の活用がさらに進むかもしれません。

実際には、木材の切り出しや、それを製品に加工する際の人件費が高くつくため、現実的には一朝一夕に森林資源の活用が進むわけでもありません。

それでも、少なくとも、廃棄物処理するしかなかった割り箸を、燃料として再生することには大きな意義があります。

是非とも城崎で燃料化事業を成功させていただき、他の地域にも広めていっていただきたいと思っております。

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