山梨県、明野最終処分場の閉鎖も視野に

巨額の税金を使って最終処分場を建設しながらろくに使いもしないうちに閉鎖を検討中という、誠に残念なニュースです。

※当ブログ関連記事
2013年10月24日付記事 施工不良か、それとも単なる責任転嫁か

2013年10月24日10時35分 朝日新聞デジタル 明野処分場の閉鎖 視野

  
■業者、補修を拒否

 産業廃棄物の搬入停止が続いている北杜市の明野処分場について、横内正明知事は23日、閉鎖も視野に入れて今後の方向性を検討する方針を明らかにした。安全管理対策に巨額の費用がかかることなどから搬入再開のめどがたっていないため。年内に結論を出す。

 横内知事はこの日の記者会見で、昨年12月の2度目の漏水検知システム異常検知を受け、施工業者5社に補修などを求めた結果、全社から「応じられない」との回答があったと明かした。搬入再開のための補修などには10億円以上かかる可能性があるため、「再開するとすれば、かなりの工事期間と、お金を要することになる」と説明した。

 横内知事はこうした状況から、処分場の今後のあり方を「閉鎖も検討の中に当然入る」と述べ、年内に結論を出す方針を示した。

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そもそもは、山梨県内に最終処分場が無いという理由で、公共関与の最終処分場を設置したわけですが、
早期開業を優先させ、地元調整をろくに行わなかったつけが出てきた格好になります。

管理型最終処分場でありながら、焼却灰を埋めないという条件で地元合意を進めるなど、民間の最終処分場では考えられないような厳しい制約を、山梨県自らが設けていました。

遮水シートの破損がなくとも、経営計画自体に問題があるため、事業がとん挫するのは時間の問題でした。

また、絶対に破れない遮水シートなどというものは、現在の技術では製造不可能です。

埋立を進めるにつれ、遮水シートにかかる重量はドンドン増していきますし、埋立物の形状や埋め方によっては、シートを突き破ってしまうことがあります。

「シートは破れる可能性がある」ということを前提に、
遮水シートの二重施工や、シート破損の補修方法の工夫など、民間事業者は色々な対策を取っています。

明野処分場はシートの破損をアラームで知らせるシステムになっていたそうですが、
廃棄物を撤去しないと補修できないのであれば、補修に著しい手間とコストがかかりますので、最初から現実的なリスク管理策ではありませんでした。

異常は検知できたとしても、それを直せないのであれば、
鳴り止まないアラームを永遠に聞き続けることになります。

いったい、何のために作ったシステムだったのでしょうか?

最終処分場設置の経緯も考えると、途方もない税金の無駄遣いであったとしか言えません。

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