公設焼却炉減少の動き

一般廃棄物処理を民間委託した方が年間経費を4億円も縮減できるのであれば、それをしない手はありません。

毎日新聞 2013年11月08日 廃棄物処理施設:21年度以降の可燃ごみ処理、伊賀市は「民間委託」−−検討委答申 /三重

◇名張市、広域化と報告

 伊賀市の2021年度以降の可燃ごみ処理を審議する「廃棄物処理のあり方検討委員会」は7日、市のさくらリサイクルセンター(伊賀市治田)で4回目の会合を開き、「民間委託する」との答申をまとめ、市に提出した。将来は伊賀南部地域(伊賀市のうち旧青山町地区と名張市)との広域化処理が効率的、と判断し、広域化までの過度的対応として民間委託を答申した。

 センターの可燃ごみ処理は、地元との協定で2021年3月までに限られている。同委は、協定延長、新施設建設、民間委託の3案を検討。市単独の新施設は広域化にそぐわないとされた。民間委託は年間経費を約6億円と試算し、現施設の維持管理費(10億円以上)と比べ、財政的利点もあると結論付けた。

 一方、名張市と旧青山町のごみを処理する伊賀南部環境衛生組合の伊賀南部クリーンセンター(伊賀市奥鹿野)は09年開設で、地元協定は2024年までになっている。同委は協定の更新時期などを広域化の好機ととらえた。

 会合で、委員の辻上浩司・副市長も「名張市も将来、スケールメリットが働く広域処理を進めたい意向を持っている」と報告した。

 同委は、財政的メリットから伊賀市の民間委託開始の前倒しも検討対象とした。

 今後、もう一つの諮問内容の、し尿処理施設(同市長田)の更新について審議し、来年3月までに答申する。

ただし、伊賀市の場合は、市内に国内でも有数の一般廃棄物処理能力を有する処理企業が存在するという、他の自治体にはない特別の利点があるからこその話ですが、
大阪市のように、焼却炉の能力が過剰であった自治体においても、それまでの廃棄物に寛容な姿勢を一変させ、焼却炉の削減のために搬入される廃棄物の制限を厳しくし始めたところが増えています。

住民人口の減少が大部分の自治体で不可避である以上、身の丈に合わず、維持コストが高すぎる焼却炉を持てあますところが今後も増えるのは確実です。

その時になって、慌てて「民間資本を導入!」と叫んでも時すでに遅し。

排出事業者が産業廃棄物の委託先を探す以上に慎重な注意を払って、市町村は一般廃棄物処理の委託先を探す必要があります。

地域のボスや、怪しげなブローカーの甘言に乗り、不必要な税金を垂れ流している自治体が意外と多くある点が気がかりです。

今回ご紹介した伊賀市の場合は、管理や委託のコストを公開し、オープンな議論を進めている点を高く評価できます。

伊賀市を範として、他の自治体も行政の本分に則り、公平公正な合意形成を図っていただきたいものです。

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