川崎市、市有地の産廃を行政代執行で撤去の方針

2013年5月15日付の当ブログ記事 「土地所有者である川崎市の責任はいかに」 で既報の、市有地に置かれた産業廃棄物を川崎市がいよいよ行政代執行で撤去する方針を固めた模様です。

毎日新聞 2014年2月15日 川崎市:臨海部市有地に不法放置産廃 年度内に一部撤去 略式代執行で /神奈川

 川崎市臨海部の一角にある市有地に、不法投棄された産業廃棄物が放置されている問題で、市は14日、今年度中に市道部分にあるごみの一部を撤去すると発表した。道路法の規定に基づく略式代執行で実施する。2016年度までに残りも撤去する方針だが、総額で10億円程度の費用がかかる見込みだという。

 問題の土地は、川崎区塩浜3の公園予定地(約5000平方メートル)と市道(450平方メートル)。神奈川臨海鉄道の線路と、川崎市の下水処理施設「入江崎水処理センター」に挟まれている。市道はこれまで道路として利用された実態はないという。

 かつては産廃の一時保管施設として利用され、稼働を停止した2005年以降もそのままの状態で残された。そこに家電などのごみが不法投棄されるようになり、現在は灰や土砂の上に、クヌギなどの植物が生い茂り、野鳥やタヌキが住み着い(てい:筆者補注)る。

 ごみは隣接する民間研究所の塀を圧迫しているため、市は市道部分にあるごみの一部撤去を決めた。費用は1600万円を見込んでいる。市はこれまでも不法投棄された土砂などの撤去義務者を捜してきたが、事実上、特定は困難とみられる。

「1985年には業者に立ち退きを命じる東京高裁の控訴審判決が確定」したにもかかわらず、野外焼却は不法投棄が続けられたという非常に悪質な事案ですが、行為者に対する川崎市の姿勢にも問題があったと考えざるを得ません。

臨海部の工業地域でありながら、クヌギが生い茂り、野鳥やタヌキが住み着いている状態が想像しにくかったのですが、
Googleマップで該当する現場の画像を見ると納得しました。

見方によっては都市部にできた貴重な里山と言えるかもしれません。
もっとも、クヌギを利用する人がいない環境では、本当の意味での里山とは言えませんが。


大きな地図で見る

総撤去費用に10億円が掛かるとのことですが、廃棄物さえ撤去すれば、都市公園という最初の構想のとおりに土地を利用できるのではないでしょうか。

野生生物がその場所で増えている以上、生物にとって良好な環境であるのはほぼ確実と考えられますので、生態系の学習の場としても最適ではないかと思われます。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ