滋賀県RD社事案と松山市レッグ社事案の続報

産廃特措法の対象事業2件について連続して報道されていましたので、ご紹介します。

まずは滋賀県RD社事案の後始末について

毎日新聞 2014年2月13日 栗東の産廃処分場跡地問題:県有地化ほぼ完了 回収200万円止まり /滋賀

 栗東市の旧RDエンジニアリング社産廃処分場跡地について、県は12日、周辺の5万3260平方メートル全域を県有地化する手続きがほぼ終了したと発表した。取得後の活用方法は決まっていない。

 県議会環境・農水委員会で県の担当者が報告した。金融機関などが抵当権を放棄したため、無償で寄付されるという。跡地を巡っては、周辺住民が県有地とし、県が将来にわたって責任を持って管理することを求めていた。

 一方、県は来年度以降の対策工事など行政代執行費用を総額約70億円と試算。産廃特別措置法の適用で、45%が国の交付税でまかなわれるが、1月末までに会社側から回収できたのは約200万円にとどまっている。今年度内に700万円を追加で回収するとしたが、来年度以降は少額にとどまるとの見通しも示した。これに対し、委員からは「多額の税金を投入している。もっと回収に努力すべきだ」と意見が出た。担当者は「関係先の財産調査を続ける」と答弁した。

こういった不適正処理事案で900万円(700万円は今年度内の回収見込み)も回収できるというのは、実は大変珍しいことです。

もちろん、総事業費70億円とくらべると、900万円が焼け石に水のちっぽけな数字にしか見えませんが、他の自治体での回収状況と比較すると、滋賀県は頑張って回収した方だと思います。

ただし、通常は行為者が破産寸前に陥るのがほとんどであるため、行為者から現金を回収したというよりは、RD社等が有していた財産や債権を換価した成果であろうとも思います。

不適正処理が行われた土地の利用問題については、全国どこの自治体でも頭を悩ませているわけですが、
たとえ無償で土地を自治体が取得できたとしても、その後の管理責任や費用の問題を考えると、自治体の負担になってくるのは明らかです。

跡地に公園を設置する自治体が多いのもやむを得ない面があります。

しかし、RD社事案の跡地の場合は、公園を設置できるようになるのは相当先の将来となりそうですが。

次は松山市のレッグ社事案について。

2月10日付記事で 真摯な反省か、それとも・・・ と書きましたが、松山市は行為者に対し本当に是正をする意思と能力があるのかどうかを証明させる、とのことです。

毎日新聞 2014年02月14日 松山の産廃処分場:松山市、レッグへ催告書 計画や資金裏付け明示求める /愛媛

 松山市菅沢町の産業廃棄物管理型最終処分場=レッグ所有=の汚水漏出問題で、市は13日、同社への廃棄物の流出防止工事実施などの措置命令に絡み、同社に具体的な計画や資金の裏付けを示すよう求める催告書を出したことを明らかにした。回答期限は24日。

 同社は措置命令の工事着手期限の6日、命令に応じるとの申立書を市に提出していた。市は「計画が出なければ履行能力がないと判断せざるを得ない」と説明している。

行為者の具体的な計画についてはさておき、
「資金の裏付け」については、無い袖は振れませんので、よほどの奇特な篤志家と知り合いでない限り、そのような当ては無いのではないかと思われます。

着手期限ギリギリに申立書を提出するというのは、時間の引き延ばし以外の何者でもなかったと思われますが、
産廃特措法の対象事業となっている以上、そのような口先だけの先延ばし策にはまったく意味が無かったと言えます。

わずかの時間でも引き延ばしをしている間に個人財産を処分する?

不適正処理は行為者の懐が寒くなったからこそ起こる事象であり、
現代の法制度下では、懐を肥やすために不適正処理を行うのは非常に難しくなっています(ごくごく一部の例外は最近でもありますが)。

その意味で、委託者が委託先処理業者の懐状況を調査することは、非常に重要、かつ有効な自社防衛策となります。

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