明野最終処分場の後始末が泥沼化

2014年5月14日09時51分 朝日新聞 埋め立て産廃 撤去求め集会

 閉鎖が決まった北杜市の産業廃棄物最終処分場・明野処分場前で13日、住民らが県と県環境整備事業団(理事長・横内正明知事)に対し、埋め立て済み産廃の撤去と現状のままでの覆土工事の中止を求める集会を開いた。

 反対住民でつくる明野廃棄物最終処分場問題対策協議会(篠原出代表)が、周辺住民ら約70人を集めて行った。住民らは処分場のゲート前で「安全が担保されない覆土は許さない」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた。

 篠原代表は「事故を起こした遮水工に何の対処もせず、安全な廃止のための組織も設置しないままの覆土はずさんな対応。住民にはとうてい認められない」とする集会宣言を読み上げ、産廃の撤去と工事の中止を求めた。

 覆土工事は1日に始まり、今年度中に完了する予定。県環境整備事業団の秋山孝専務理事は「廃棄物の離散防止のためにも覆土する必要があり、適切に進めていく」とした。

住民団体から
操業の際には搬入を妨害され、
操業を停止しても批判をされるとは、山梨県としては踏んだり蹴ったりの心境ではないでしょうか。

漏水検知アラームが鳴り止まなかったことは問題ではありますが、
アラームの単なる故障だったのか、それとも住民団体が言うように本当に遮水工に支障があったのかを明らかにする必要がありました。

それをしなかったために、住民団体を説得することもできず、最終処分場の閉鎖にまで追い込まれるという最悪の事態になってしまいました。

その結果、山梨県の怒りの矛先は最終処分場の施工業者に向かいました。

◇業者側争う姿勢 賠償訴訟

 閉鎖が決まった北杜市の産業廃棄物最終処分場・明野処分場の施工業者に対し、県環境整備事業団(理事長・横内正明知事)が料金収入の損失分など約10億円の損害賠償を求めている訴訟の第1回口頭弁論が13日、甲府地裁(佐久間政和裁判長)であった。業者側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 提訴されているのは、事業団から処分場の建設を委託された鈴健興業(笛吹市)や、地中への漏水を防ぐシートの施設を請け負った前田建設工業(東京都)など3社でつくる共同企業体。

 訴状によると、事業団側は、共同企業体が設置した漏水検知システムが2012年12月に水漏れがないのに誤って作動したことで、処分場の閉鎖を余儀なくされたと主張。鈴健興業には重機操作を誤りシステムを損傷させた責任が、企業共同体には水漏れがないのに異常を検知するシステムを設置した責任があるとしている。

 鈴健興業の代理人は「破損箇所を鈴健興業が工事したか定かではない。もしその箇所を請け負っていたとしても、その工事に重機は使わない。責任を負ういわれはない」などと主張し、争う姿勢を示している。

 明野処分場では2度にわたり漏水検知システムが作動。今後は、10年10月にあった1回目の作動による損失分約4億円の損害賠償訴訟と合わせて審理される。

水漏れがないのにアラームが誤作動しただけならば、最終処分場を閉鎖する必要はなかったと思われます。

明野処分場は、供用期間が著しく短く、埋められる廃棄物の種類もかなり限定された処分場であったため、最初から収益化が困難な最終処分場でした。

部外者の目からすると、住民団体が騒ぎ始めたことを契機として、山梨県の事業団も渡りに船とばかりに処分場の閉鎖に動き出したという印象を受けています。

無理という土台にムリを重ねても無駄にしかならないことが、この事例から得られた教訓でした・・・

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