バイオプラスチックが博多人形に

廃棄物というよりは、プラスチックの新用途としての技術検証ですが、リサイクル可能な製品としてのバイオプラスチックのニーズが高まれば、もっと面白い用途が増えると思います。

2014年6月27日付 毎日新聞
博多人形:プラ廃棄物使い 北九州の企業、新素材を共同開発 従来製品と変わらぬ出来 /福岡

 ◇焼成温度・時間減、大幅省エネ可能

 植物を原料にしたプラスチック廃棄物を使った新素材の博多人形作りに北九州市のベンチャー企業と人形師が取り組んでいる。従来の博多人形と比べ、焼き上げまでの温度が低く、時間も短い。関係者は「大幅な省エネが可能となる」と話し、今後は量産化も目指したいとしている。

 新素材は、北九州市の環境コンサルタント会社と新素材商品の開発会社が、長崎県波佐見町の長崎県窯業技術センターと共同開発した。廃棄物は、トウモロコシを主原料とするバイオプラスチックの一種「ポリ乳酸」で、陶土として使う際には粉末化し、陶石などと混ぜる。成型した器を200度で1〜2時間焼くと、従来の素焼きと変わらない製品が完成する。

 従来の陶磁器は約800度、12〜16時間かけて焼く必要があったが、今回の新素材を用いることで焼成の温度も時間も大幅に減らせるという。新素材開発会社「ひびくー」の松田晋太郎代表(37)らは、博多人形の材料として使えるのではないかと考え、福岡市早良区の「田中博多人形工房」などの数人の人形師や九州産業大芸術学部の生徒と独自のデザインによる人形の開発を進めてきた。

 人形工房の田中勇さん(42)は「日ごろ使う土とは手触りが違うなど気を使う部分もあるが、慣れてくればなんとかなる。低温でいいので、家庭用のオーブンでも焼成できそう」と期待を寄せる。松田さんも「新たな素材を使った博多人形をテコに、さまざまな商品づくりの材料として売り込みたい」と意気込みを語った。

もっとも、博多人形の材料として使用される程度では、リサイクル市場として成り立つ大きさにはなりませんが、
人形師の方のコメントに、今後の商品展開としてのヒントがあるように思いました。

人形師というプロ向けの素材としてではなく、
「家庭のオーブンでも焼成可能」という利点を最大限生かし、「博多人形にも活用される素材を使い、ご家庭でも本物そっくりの工芸品を作りませんか?」というコンセプトなら、家庭のみならず、学校などにも売れる教材になるのではないでしょうか。

もっとも、私レベルが3分で思いつく方法なので、開発者の方はとっくに想定済みの戦略であろうと思いますが(笑)。

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