リネットジャパンと佐川急便が小型家電の宅配回収を開始

小型電子機器再資源化認定事業者であるリネットジャパンが、佐川急便と提携することで愛知県内の一般家庭から小型電子機器の回収が可能になりました。

一般家庭からの個別回収に対応するのは全国初のケースです。

2014年7月22日付 日本経済新聞 佐川、小型廃家電を回収 段ボール1箱分で900円 自宅まで集荷

 佐川急便は小型の廃家電を自宅で回収するサービスを始める。利用者からインターネットで申し込みを受け付け、最短翌日に自宅で集荷する。段ボール1箱に収納できるだけの量を900円前後で回収。再資源化目的の小型廃家電を引き受け、自治体の粗大ゴミ、不燃ゴミ回収を代替する。宅配便の輸送網を転用し、2015年末までに全国規模のサービスにする。

 月内に愛知県で始め、9月をめどに中部、関東地域に広げる。炊飯器、掃除機、デジタルカメラ、音響機器、電話機、パソコン、携帯電話など約400品目が対象。一般の段ボールで3辺合計が140センチ、重さ20キロ以内であれば幾つでも家電を詰めて処分できる。料金は地域によって異なるが、900円前後という。

 中古書籍買い取りのネットオフ(愛知県大府市)の関連会社と組む。利用者はネットで依頼・決済する。自治体の回収と並行して使え、廃家電処理の選択肢を広げる。

 廃家電に含まれるレアメタル(希少金属)などの有効活用を目指し、13年4月に「小型家電リサイクル法」が施行された。国認定の事業者となれば廃棄物を扱う事業者に必要な自治体ごとの許可が免除される。佐川急便は初めて全国を網羅する認定事業者となった。

 地域ごとに専門の処理事業者に引き渡し再資源化。5年後に年間約600万点の回収を目指す。自治体側は再資源化を促せるうえ、行政コストも抑えられる。自治体に粗大ゴミとして収集してもらう場合は有料のことが多い。例えば東京都杉並区だと電子レンジが300円だが、4日以上前に申し込む必要がある。

ただし、記事の表現に少し修正が必要です。

赤字の部分、正確には、佐川急便は認定事業者ではありません。

佐川急便はリネットジャパンから収集運搬の委託を受ける者に当たりますので、認定証が交付されるのはリネットジャパンだけです。

もっとも、認定証の中で別紙一覧として、上記の収集運搬の委託を受ける者の一覧が記載されますので、佐川急便がリネットジャパンの全国事業の一翼を担うことは対外的に証明されます。

さて、同日付の毎日新聞の記事では、名古屋市内でのプレスリリースの模様が華々しく取り上げられています。
小型家電:不用品を宅配便で有料回収 愛知

愛知県知事と名古屋市長が宣伝をしてくれるというのは、行政の公平中立という原則にいささか反するような気がします(苦笑)。

特に、愛知県の場合は、愛知県に本拠を置く認定事業者が5社(リネットジャパンを除く)もあるという小型家電リサイクルの激戦地。

「なぜ、リネットジャパンだけ宣伝するのか」という疑問が残ります。

本題とは少し離れた内容へのツッコミはこれくらいにしておきます。

従来から、PCのリサイクルは業界団体主導で比較的活発に行われてきましたが、
PC以外のゲーム機などの小型家電の大部分を、宅配サービスで回収しようというところが画期的です。

しかも、業界1位のヤマト運輸ではなく、佐川急便と組んだという点も興味深い。

Amazonの宅配から佐川急便が撤退したのは記憶に新しいところですが、これから愛知県、中部地方、そして全国へと個別回収の動きが広がるかどうかは、愛知県での実績次第と思われます。

時間指定や再配達が頻発する発送ではなく、佐川急便がよりコントロールしやすい回収サービスなら商機があるということでしょうか。

既に、ヤマト運輸のグループ企業であるヤマトホームコンビニエンスが、認定事業ではない独自サービスとして、不用品の下取り回収(下取りかどうかには大きな疑問符が付きますが)を始めていますので、従来は運送業界のターゲットではなかった廃棄物の争奪戦にこれから入るのかもしれません。

排出事業者と産業廃棄物処理業者にとっても他人事ではないニュースですね。

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