岡山市教育委員会がPCB廃棄物の保管状況を虚偽報告

またもや公務員による犯罪ですが、
今回はPCB廃棄物を誤廃棄しただけではなく、4年連続で保管状況報告の内容を偽るなどの隠ぺい工作を取っているため、悪質性が非常に高いものとなっています。

2014年7月19日付 毎日新聞 PCB:誤廃棄か 職員が虚偽報告−−岡山市教委 /岡山

 岡山市教委は18日、保管・報告が義務づけられているポリ塩化ビフェニール(PCB)約5・3キロを含む高圧コンデンサーの紛失を、2008年から担当職員が報告していなかったと発表した。PCBは市立瀬戸中学校(東区瀬戸町)の電気設備改修工事で業者が誤って廃棄したとみられるという。市産業廃棄物対策課は、PCB特措法違反の疑いがあるとみて県警に相談している。

 市教委によると、08年8月下旬、市教委学校施設課の男性職員(50歳代)が工事完了の確認作業中に紛失に気付いたが、上司に伝えなかった。09年6月に市に紛失後初の報告をする際、別の職員も経緯を知ったが、市には保管しているとうその報告をしたという。

 今年の報告締め切り日だった6月30日、職員2人は市教委審議監(学校施設課長)に08年以降の経緯を伝え、紛失が発覚。2人は「今年の報告から詳しい内容が求められることになったため話した。重大さは気付いていたが、上司に言えなかった」と説明したという。市教委の渡辺和夫教育次長は18日に記者会見し、「重く受け止め、市民に深くおわび申し上げたい」と謝罪した。

実体験に基づく一般論として言い切ってしまいますが、
学校や病院などの公立機関の多くは、廃棄物管理が非常に杜撰です。

産業廃棄物処理を委託する際に契約書のような文書は用意するものの、法定記載事項の大部分が脱落しているものが多く、当事者意識が希薄なところが大部分と言えるでしょう。

今回犯罪が発覚した岡山市教育委員会のみならず、他の自治体においてもPCB廃棄物の誤廃棄や委託基準違反が相当数存在するものと考える方が現実的です。

犯罪は岡山市教育委員会の組織内で起こりましたが、実際には岡山市職員が教育委員会に派遣されていますので、岡山市の過失でもあります。

ただし、直接の担当者であった職員2名の個人的過失として片付けてしまうのも危険です。

職員2名をして、「重大さは気付いていたが、上司に言えなかった」と言わしめた背景を精査し、
今後は迅速に連絡・報告を行うことが当然となる組織づくりを急ぐ必要があります。

もちろん、他の自治体にもあてはまる話ですが、
当事者意識を持っていない組織には事の重大性がなかなか伝わりませんので、痛い目に遭って、初めて法律違反という事実の大きさに気が付くのでしょうね(苦笑)。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ