労働災害防止対策に見る企業の品格

鹿児島県鹿屋市のプラスチックリサイクル工場において、高さ2mの足場から転落した従業員が死亡する事故が発生しました。

2014年8月26日 19:00 KYT鹿児島読売テレビ リサイクル工場で男性が転落死(鹿児島県)

26日午前、鹿屋市のリサイクル工場で機械のメンテナンス作業をしていた69歳の男性が、高さ2メートルの足場から床に転落し、死亡した。事故があったのは鹿屋市串良町上小原のプラスチックのリサイクルを行う工場。26日午前9時40分ごろ「機械から人が落ち意識がない。」と、従業員から消防に通報があった。この事故で従業員のFさん(69歳)が、頭などを強く打ち死亡した。警察の調べによると、Fさんは工場内で廃棄物を砕く「破砕機」の刃の部分を交換しようと、高さ2メートル程の足場の上で作業していた際、床に転落したという。警察で転落の原因を調べている。

2m以上の高さで行う作業は「高所作業」となり、事業者は労働安全衛生規則等で定められた安全対策を講じなければなりません。

労働中の作業に伴う事故の場合、企業として安全管理を図っていなかったと判断されると、労働安全衛生法と刑法の「業務上過失致死傷罪」違反として裁かれることになります。

労働安全対策については素人ですので、専門家のブログから、高所作業における具体的な注意点を引用します。
※引用元 池田雅之の請負の品格 「高所作業の安全」

【高所作業における注意事項】
1.高所作業をするにあたって足場板がきちんと設置されているか確認する。
2.足場板までの昇降できる通路、階段が設置されているか確認する。
3.足場板、通路(階段)には落下防止用の手摺り(ロープ)が設置されているか確認する。
4.手摺りパイプ等のはずれ防止の安全ピンがきちんと役目を果たしているか確認する。
5.転倒を防止する処置(アウトリガー・ストッパー)がなされているか確認する。
6.イントレ(建築現場でよく見る鉄製パイプを使った組み立て式の足場)の抜け防止用の金具(ブーメラン)を使用しているか確認する。
7.以上1~6項は、仮設現場で確認しなければならない基本的な事項です。仮設現場での落下事故は、決められた昇降通路等を使用せず、近道をしようとして別の経路を通った場合に多く見られます。
8.ヘルメット、安全帯を着用し、作業性の良い靴を履くこと。
9.はしごを利用する場合は、補助員が足場をしっかり固定すること。
10.足場に工具等を置かないようにすること。
11.高所作業時には不要なものは持たず、工具を落とさないようにすること。
12.脚立の天板に乗って作業しない。
13.脚立から飛び降りない。 

以上、非常に具体的な安全対策ポイントが13個示されていますが、1つずつはどれも簡単な対策です。
そのため、企業規模の大小にかかわらず、すべての事業者において上記の対策はすぐ取れるはずです。

しかしながら、実際には、
「面倒だから」「今まで転落事故が起こったことがないから」という理由で、
あるいは、そもそも安全対策の必要性すら認識していないために、
多くの作業現場では、上記13個のすべてが守られていないと思われます。

労働災害防止対策に必要なコストはそれほど巨額なものにはなりませんが、一度でも重篤な労働災害が起こってしまうと、企業としては治療費の負担のみならず、訴追のリスクまで背負わなければならなくなりますので、必要十分な対策を取らないという選択肢は有り得ませんね。

と、ここまでは主に廃棄物処理企業向けのメッセージとなります。

ここからは、排出事業者向けのメッセージですが、
委託先の廃棄物処理業者で労働災害が発生した場合、事故原因の究明や復旧作業などの影響で廃棄物処理ができなくなります。

毎日産業廃棄物の回収を依頼しているようなケースの場合、短期的には、それだけで大変困った事態となります。

また、長期的な観点としては、労働災害が頻発する現場で、従業員の愛社精神が育まれることはほとんどありませんので、モチベーションの低下した従業員の雑な作業や、違法な廃棄物処理が横行する可能性が高まります。

委託者としてはこの長期的な影響を軽視することはできませんし、後々のダメージという意味では、短期的よりも長期的な影響の方が、不法投棄などの不適正処理として大きく跳ね返ってくるかもしれません。

そのため、短期及び長期的観点からも、委託先処理業者選定の際には、その業者の労働災害対策をしっかりと確認することが重要と言えます。

数多くの処理現場と処理業者の経営者を見てきた実感としては、
「安全対策に熱心な処理業者でありながら、信頼性が不透明な企業は皆無」と断言できます。

安全対策の場合、多くの排出事業者にとってもなじみの深いものですので、廃棄物処理法の知識の有無とは無関係にシビアな観察ができるという利点もあります。

次に現地確認に行かれた場合は、是非安全対策を丁寧に質問してみてください。

信頼できる処理企業の場合は、簡潔かつ誠実に回答してくれるはずです。(^^)

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