食品リサイクル成功の王道パターン
食品廃棄物を有効活用する方法が各地で研究・実践されているところですが、
今のところ唯一の成功パターンと言えるのは、
「農業者」「食品販売事業者」「リサイクル事業者」の三者連携がうまくできているケースです。
特に重要なのが、「農業者の参加」。
これなしにいくら理念の崇高さを叫ぼうとも、あるいは立派で高額な堆肥化施設を設置しようとも、食品リサイクル事業が前に進むことはありません。
では、リサイクル事業者や食品販売事業者自身が農業をやれば良いかというと、そんなに簡単な話ではなく、事業として食品リサイクルループを成立させるためには、一定規模以上の農業者の参加が不可欠です。
なにせ、コストを掛けて堆肥を作ったとしても、それを利用する農業者がいないことには、ループが切れてしまいますので。
食品リサイクルループの形成に関しては、既にユニー・グループホールディングスが一歩先行していますが、いよいよ関西(兵庫県)でもイオングループが参入することになりました。
2014年9月16日流通ニュース イオンアグリ創造/食品リサイクルで大栄環境と協定
イオンアグリ創造は9月16日、再資源化事業を運営する大栄環境と「食品リサイクルループ推進に関する協定」を締結すると発表した。
イオン三木里脇農場が立地する兵庫県三木市の三木市里脇地域も加えた3者で、環境保全型農業の実現に向けたリサイクルループを推進する一環。
イオン三木里脇農場周辺の総合スーパー「イオン」や「ダイエー」、食品スーパー「マックスバリュ」の店舗などで発生する野菜や肉などの食品残さを大栄環境の堆肥化施設で堆肥に加工し、近接するイオン三木里脇農場で使用する。
堆肥で野菜を栽培・収穫し、イオンの店舗で販売することで、イオン完結型食品リサイクルループを構築するという。
イオンの直営農場が堆肥を活用することが中心となりますが、直営農場が立地する地域を交えた協定を締結しているところに注目しました。
堆肥の安全性や、作物の成長に効果的であると農業者に認知されれば、イオンの直営農場以外にも堆肥の販路が広がりますので、リサイクルループをより太くしていくことが可能となります。
ループを回せば回すほど、参加するプレイヤーの数が増え、より安定的にループを回せるようになるという、自律成長型ループになる可能性があります。
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2014年9月17日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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