『「許可取消」の取消』の取消を求める訴訟の第1回口頭弁論

当ブログ2014年6月25日付記事 『「許可取消」の取消』の取消を求める訴訟 の続報です。

2014年9月18日付 毎日新聞 中津川の産廃施設建設:国側が争う姿勢 地裁初弁論 /岐阜

 中津川市福岡の産業廃棄物中間処理施設の建設計画を巡り、住民175人が、建設を認めた環境省の決定を違法として決定の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が17日、岐阜地裁であった。国側は請求棄却を求める答弁書を提出して争う姿勢を見せた。

 産廃処理施設を計画しているのは同所のリサイクル業「河村産業」。訴状などによると、県は2009年、建設を許可したが、住民に事前説明をしなかったなどとして10年に許可を取り消した。業者側の不服申し立てを受け、環境省は13年、県の判断を退けた。

 この日の意見陳述で、原告の1人(略)は「(業者側は)地区の寄り合いでタイヤ焼却設備の改良をする手続きと説明し、新しい産廃処理施設については住民に知らされなかった」などと訴えた。

 国側は答弁書で、具体的な意見については「準備書面により明らかにする」とした。

焼却炉に問題があるのかどうか、事業者の信頼性がわかりませんので、法的手続きの妥当性に関してのみ論じたいと思います。

『「許可取消」の取消』の取消を求める訴訟」で書いたとおり、住民説明会をしなかったという理由で、産業廃棄物処理施設の設置許可を取消したこと自体が違法ですので、法的には環境省のした裁決には何の問題もありません。

常識的にはそのような結論となりますが、別の可能性も考えてみます。

「環境省の裁決『許可取消の取消』が違法であった」と判示される可能性についてです。

もし、最高裁まで訴訟が継続し、そのような結論となった場合は、廃棄物処理法の産業廃棄物処理施設設置許可基準に不備があるということになり、早急に法改正を行う必要が生じます。

具体的には、法律で住民説明会の要件などを規定し、産業廃棄物処理施設設置の際には住民説明会が義務付けられる・・・
というような事態になることが考えられます。

もっとも、先述したように、今回は環境省の措置に違法性は無さそうですので、最高裁まで争った上で環境省敗訴となる確率は非常に低いのではないかと思いますが、実務的には要注目の訴訟と言えます。

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