主客転倒な抑止理論

「抑止理論」と言いましても、近頃流行りの「軍事力の保持」を意味する「抑止」ではありません。

当ブログで「抑止」と言えば、「不法投棄の抑止」と相場が決まっています(笑)。

2015年6月19日付 毎日新聞 ドローン:愛知県 産業廃棄物の保管状況確認に活用

 愛知県は19日、産業廃棄物の保管状況の確認に、小型無人機(ドローン)を活用すると発表した。地上からは監視が困難な過剰保管現場の全体像を上空から把握し、指導に生かすのが目的。30日に試行し、有効性を検証した上で今後の活用を検討する。県によると、同様の取り組みは東海地方では初めて。

 県によると、今回監視するのは、同県瀬戸市の山間地にある約7000平方メートルの建設廃材の保管現場。これまでも地上からの監視で過剰保管が確認され、県が産廃処理業者を指導していた。

 使用するドローンは、全長96センチ、高さ42センチで、デジタルビデオカメラを搭載。飛行は専門業者に委託する。記者会見した大村秀章知事は「不法投棄などに対する抑止力となることも期待する」と述べた。

人の目が届きにくい場所をドローンで調べるというのは結構なことなのですが、
ドローンを飛ばしたからといって、不法投棄を抑制できるとはまったく思えません。

365日飛行し続けることが可能で、不法投棄を発見次第、行為者を攻撃する機能を持ったドローンなら、現実的な抑止力となりそうですが(笑)。

もしも、そんなドローンが実現したなら、

X-MEN:フューチャー&パスト」や「ターミネーター4」等の、最近のSF映画でよく描かれる「人類VS機械」というストーリーが絵空事ではなくなります。

人工知能(AI)技術の発展により、人間がやっている仕事がAIに取って代わられる可能性が現実に出てきたそうですので、SF映画の世界が現実化することを個人的に心配しております(汗)。

さて、冗談はこれくらいにしておき
不法投棄などの不適正処理は、それが小さな芽の段階でつぶすことが鉄則であり、廃棄物の山ができた後では抑止どころか、原状回復すら難しいということは、当ブログでも散々述べてきたところです。

もっとも、県知事自身が不法投棄現場を監視することはありませんので、知事が現場で起きることを知らないのも当然です。

今回のドローン飛行は、愛知県の事務方としては、不法投棄の抑止を狙ったわけではなく、監視活動にドローンを活用できるかどうかを実験したもののようです。

2015年6月30日 中京テレビ 「ドローン」活用、産廃の確認作業 愛知県

aichi
これだけ高くクレーンを延ばしていますので、クレーンから地上を撮影すれば十分ではないかと思いましたが(笑)、
ドローンの性能試験を兼ねた実験ですので、ドローンがロストしてしまわないように、確実に電波が届く高さが必要だったのでしょう。

現段階のドローンの性能及びコストを考えると、日常的に監視活動に使うのは非現実的だと思いますが、
個人的には、ドローンを趣味の範囲で使ってみたいという意欲が徐々に高まっています。

とはいえ、不特定多数の人が集まる公共の場では、ドローンが墜落するリスクがありますので、使用できる場所がかなり限定されますが・・・

ドローン空撮入門 (インプレスムック)

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