三菱地所、丸の内で弁当がらリサイクルを開始

東京丸の内という一大弁当大消費地で、弁当がらのリサイクルを地域ぐるみで行うことを三菱地所が開始するそうです。

2016年5月26日付 三菱地所株式会社プレスリリース 「丸の内エコ弁プロジェクト」本格運用開始

■本プロジェクトの仕組み
1.店舗は、表面の薄いフィルムをはがすことで容器をリサイクルできる「P&Pリ・リパック容器」を購入し、弁当容器に使用して販売。
2.弁当購入者は食後、フィルムをはがし、専用の回収ボックスに容器を返却。
3.回収された容器は、溶解施設で溶解処理・再原料化。
4.再原料化された容器は、リサイクル容器製造業者で再び容器として製造。
※三菱地所グループは、全体スキームの構築、回収ボックスの設置、店舗・就業者への理解促進・協力呼びかけによる導入店舗数・回収率の向上を実施。

食品関連の廃棄物をリサイクルする場合、一番の大敵は食品そのもの。

三菱地所のリサイクルスキームでは、あらかじめ弁当箱にフィルムを張っておき、弁当がらを回収する際にそのフィルムを剥がすことで、弁当がらへの食品の付着を防ぐという非常にスマートなやり方です。
mec
※画像は三菱地所のプレスリリースより転載

「コロンブスの卵」的な発想で、他のプラスチック製品リサイクルでも取り入れられる可能性が高いと思いました。

丸の内という地域全体で取組みを行うことにより、リサイクルのスケールメリットを期待できるのも良いですね。

さて、弁当がらがプラスチック製ですが、このケースの弁当がらは「一般廃棄物」でしょうか?それとも「産業廃棄物」でしょうか?

各企業が弁当を購入して社員に配布しているわけではないので、産業廃棄物には該当しないように思えます。

では一般廃棄物なのかというと、このケースにおける弁当がらは、再使用(再生利用)を前提とした商品であるため、回収ボックスに弁当がらを返却しているだけとも言えます。

そのため、弁当購入者は弁当がらを廃棄しているわけではないとも考えることも可能です。

三菱地所が考案したスキームの優れた点は、「回収ボックスでリサイクル可能な物しか回収しない」という点です。

もしも、廃棄するしかない食品廃棄物も無理矢理回収するスキームであったならば、一般廃棄物処理業許可の問題に抵触するところです。

わかりやすく言い換えるならば、
容器を再使用前提で無償で回収する行為は、「食堂で使い終わった食器を回収し、再使用する」のと何ら違いがありません。

法令遵守とリサイクルの効率化を両立させた点で、非常に秀逸なスキームになったと言えます。

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