鹿島建設が不法投棄で書類送検
「規模の大小を問わず、建設工事の元請の工事管理能力が落ちてきている」とよく聞くようになりましたが、
ゼネコンとしては有り得ないレベルの杜撰な不法投棄事件です。
2016年5月19日付 朝日新聞 「余ったコンクリを不法投棄の疑い 鹿島と社員を書類送検」
校舎の建て替え工事で余ったコンクリートを現場に埋めたとして、警視庁は19日、大手ゼネコン鹿島と同社社員の男性(30)を廃棄物処理法違反容疑で書類送検した。男性は「後で取り除くつもりだったが、整地する時に忘れていた」と供述しているという。
生活環境課によると、男性は、東京都中野区の明治大学付属中野中学・高校の校舎の建て替え工事で現場監督を務めていた2014年1月16日、下請け業者に指示して、工事で余ったコンクリート約560キロを現場に埋めて捨てた疑いがある。埋められたのは校舎の外階段の下部にあたり、捜査を受けて除去したという。
同課によると、現場にはほかに袋詰めされたモルタルなど約1600キロも不法に埋められていた。同年5月、匿名の告発文が警視庁に届いて発覚したという。
鹿島は「多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびするとともに、施工管理の徹底と再発の防止に努めます」としている。
ゼネコンの人事体系は存じませんが、30歳で現場監督というのはよくあることなのでしょうか?
ゼネコンという後ろ盾があることを良いことに、非道無法な工事を指示していたのであれば、法律の無知という単純な話では済まず、鹿島建設のコンプライアンス態勢に根本的な問題がありそうです。
興味深いのは、2014年1月の不法投棄事件が、同年5月に警視庁に匿名で告発されている点です。
おそらく、公益心に燃えた情熱的な人物がやむにやまれずに告発をしたというよりは、
「告発されたくなかったら誠意を見せろ」と要求した勢力があったのではないでしょうか。
不当要求をキッパリと拒否したのであれば、そのこと自体は素晴らしいと言えますが、
報復に(?)告発をされ、法的なペナルティを被ることになり、深刻なクライシスに発展してしまいました。
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2016年5月24日 | コメント/トラックバック(2) | トラックバックURL |
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コメント
今回の記事は全く同感です。
廃棄物処理施設の管理も担当している関係上、たまに工事監督などをしますが、受注者側に建設業法はもとより関係法規に熟知した職員が少ないように感じます。
受注者側としての当然の責務を面倒と感じる受注者も少なくなく、地元の優良業者のほうが手順や関係法規を良くも悪くも実務的に精通している感じはします。
大手さんの施工管理能力は必要な事案が多いですが、現場監督力のある職員をきちんと養成していただきたいものです。
cololrless様 コメントいただき、ありがとうございました。
建設工事の急増に伴う人手不足という問題も背景にあったようですね。
だとすると、今後もその構造が続くことになりますので、同種の事件が同業他社でも発生する可能性が高くなりそうです。