市長自身が不当な働きかけをしていることにならないのか?

某都知事の公私混同事件以降、第三者調査団なる名称が流行しつつあるようです。

弁護士その他で構成される「第三者調査委員会」はよく聞きましたが、「第三者調査団」とは、満州事変後の「リットン調査団」を彷彿とさせる勢いのある名称ではあります。

2016年7月26日付 毎日新聞 「廃棄物処理業者処分巡り、第三者調査団が初会合 /徳島

 一般廃棄物処理業のヤングクリーン(本社・徳島市)に対する徳島市の行政処分が公正だったか検証する第三者調査団が25日、市役所で初会合を開いた。市が委託した弁護士2人と元県警刑事部長の計3人で構成する。8月上旬に調査を始め、10月末までに報告書をまとめる。市は報告に基づき対策を策定し、市議会12月定例会で示す方針。

 調査団は、円藤寿穂元知事の汚職事件で県の調査団に加わった浅田隆幸弁護士▽地方自治体に関する著書がある森晋介弁護士▽元県警刑事部長の滝川義市氏。市は予備費から最大約335万円を委託費用に充てる。

 初会合では冒頭、遠藤彰良市長が「公正で適正な行政執行のため、十分に調査・検証してほしい」とあいさつ。その後は非公開で進められた。市によると調査項目は▽一連の行政処分の妥当性▽第三者による市の担当者への働き掛けの有無▽再発防止策の提案−−など。

 調査団の浅田弁護士は会合後、報道陣に「働き掛けがあった場合、市の意思決定に与えた影響を調べる」と述べた。

 ヤングクリーンを巡っては、2009〜12年に周辺5市町でごみを無許可で運搬したとして、市が今年3月、家庭ごみの収集を不許可にした。4月に就任した遠藤市長は「不許可処分は重すぎる。市の担当者に不当な働き掛けがあった疑いがある」として、不許可決定を取り消した。

調査する前から結論が見えている仕事で最大335万円も貰えるという、オイシイ仕事のようです(苦笑)。

「再発防止策」って何なんだよ(苦情)。

結論が見えているというのは、
「2009〜12年に周辺5市町でごみを無許可で運搬した」のが事実であるならば、それは一般廃棄物収集運搬業の無許可営業であり、第25条という廃棄物処理法でもっとも重い刑事罰の対象となる違反だからです。

逆に、無許可営業をした事実を知りながら、その業者に徳島市が許可を出す方がおかしいわけです。

許可取消ではなく、不許可というところが若干イレギュラーではありますが、
廃棄物処理法第7条第5項第四号トで、

その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者(に、市町村長は許可をしてはならない。)

と定められていますので、長期間、複数の市町村で無許可営業をしていたことが判明している事業者には許可を出さない、というのが許可手続きの常識です。

本来なら、無許可営業を知った時点で迅速に許可取消をしておくべきではありました。

上記の内容に著作権を主張しませんので、第三者調査団の方々はご自由にコピペしてご活用ください。

他に報道されていない事実があれば話は異なりますが、
報道内容と法律の条文を照らし合わせて判断すると、論理的には上記の結論にしかなり得ません。

不許可こそが妥当であり、それを市長自身が否定すること自体が、「市の担当者に不当な働き掛け」に該当する気がしてなりません。

調べたら、言い出しっぺの遠藤彰良徳島市長は、四国放送の元アナウンサーとのこと。

それを知り、廃棄物処理法や行政法の基本原則を御存知ないことにも合点が行きました。

民主主義の怖い一面を体現なさっています。

まさか、市長さん自身に第三者(?)から不当な(=オイシイ)働きかけがあったなんてことはないですよね!?

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

トラックバック

コメント

  1. あああ より:

    調査結果が出ました。
    https://www.city.tokushima.tokushima.jp/smph/shisei/mayor/mayor_press/press_2016/press_20161102.html

    ご感想をお願いします。

  2. 尾上雅典 より:

    拝見いたしましたが、徳島市側にしか聴取していないため、この報告書だけでは、本当に不当な働きかけがあったのかどうかわかりません。

    また、当該業者の違法行為の内容についてほとんど触れていないため、徳島市の具体的な判断経過が正当だったか否かもよくわかりません。

    一言で言うと、欠席裁判で片方の当事者の言い分を作文したレポートに過ぎないという印象です。

    議会という公式の場で公開討議することが不可欠と思いました。

  3. 読者 より:

    現在進められている広域処理場設置場所選定にも裏がありそうですね。
    市側の強硬さが物語っています。
    大きな金が動いているのでしょう。


コメントをどうぞ

このページの先頭へ