第2のダイコー事件か?

2016年は廃棄物処理法違反の当たり年のようで、ダイコー事件に引き続き、再び廃棄品の横流し事件が発覚しました。

しかしながら、どのメディアもダイコー事件と同じ問題構造にあることには気づかず、横流しをした処理業者、あるいはそれを見過ごした三菱電機の責任を追及する姿勢を示す程度です。

大手新聞もそのレベルの表現しかしていませんので、事件の当事者でもある国土交通省の発表を転載しておきます。

2016年8月10日付 国土交通省発表 「廃棄処理することとしていたカメラ装置のオークションへの流出について

平成28年8月10日

 中国地方整備局、四国地方整備局及び中部地方整備局のヘリコプター画像伝送装置の機器更新に伴い廃棄処理することとしていたカメラ装置が、オークションに流出していたことが判明したのでお知らせします。

○本件に関して、受注者である三菱電機株式会社から発注者である四国地方整備局及び中部地方整備局への報告(8月9日)により、以下の事実を把握しました。

・契約図書では、当該カメラ装置については建設副産物適正処理推進要綱等の関係法令により、適切に処理を行うことを明記されていること。
・受注者は、廃棄処理を依頼した下請け会社から適切に処理(破砕処理)を行ったとの報告を受けており、発注者へもその旨の報告手続を行っていること。
・実際には、下請け会社からさらに破砕処理を請け負った会社が虚偽の廃棄処理報告を行うとともに、当該カメラ装置がオークションに出品、既に落札済みであること。

○このため、発注者である各地方整備局から受注者に対して、オークションへの出品に至った詳細な経緯の把握と当該カメラ装置の早急な回収並びに適切な廃棄処理の実施について改めて指示するとともに、適宜、経過報告を受けることとしています。

国土交通省の発表内容はメディアよりは少しはましですが、読み返すたびに疑問点が増えるという、非常に高度な文体です。

ツッコミどころ満載の発表ですので、「大人の自由研究」として、皆様も一度「どこがおかしいか」「どこにひっかかるか」を意識しながら、読解してみてください(笑)。

私が感じた疑問点は、次回の記事から順次解説していきます。

お子様の社会研究課題としてもうってつけの素材になりそうですね。

これを機に、廃棄物処理法制に一人でも多くの若人が関心を持ってくれることを期待しております。(^^)

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