これが本当の環境再生

廃棄物の現役最終処分場に、野生の植物や昆虫、動物が繁殖し始め、生物にとってのちょっとしたオアシスになりつつあるという、癒やし系ニュースで連休明けのだるい気分を吹き飛ばしたいと思います(笑)。

大阪府堺市の事例

2017年5月5日付 朝日新聞 「廃棄物の島、タヌキの楽園 天敵なし、イタチの姿も

タヌキは雑食性なので、この最終処分場には昆虫や果実だけではなく、大量のネズミも生息しているものと思われます。

ただ、不思議だったのは、下記の画像のように、現場は大阪湾に面した工業地帯に位置しますので、イタチはともかく、タヌキはどこからやってきたのかという点です。

東京の都心でもたまにタヌキが姿を見せることがあるくらいですから、堺市にタヌキがいてもおかしくはないのですが、緑地帯が多い東京都心とは異なり、現場の堺市西区には、タヌキが人に見つからないほどの大規模な緑地帯は無さそうなのです。

あるいは、私が知らないだけで、地元では有名な地タヌキが何年も前から生息していたのかもしれません。

東京都日の出町の事例

2017年4月25日付 東京新聞 「日の出町の廃棄物処分場 絶滅危惧のサシバ撮ったぞ

東京都日の出町の「二ツ塚廃棄物広域処分場」では、絶滅危惧種のサシバまで現れたとのこと。

こちらは奥多摩に近い場所ですので、納得と言えば納得です。

もしも、最終処分場設置前に絶滅危惧種が見つかっていれば、環境アセスで立地が不可とされたかもしれませんが、逆に、最終処分場として使用後に植生が回復し、野生生物の生息環境に最適となった経緯を考えると、少し皮肉なものを感じます。

チェルノブイリでも

放射性物質と廃棄物ではまったく違う状況の話となりますが、チェルノブイリ原発付近も野生生物の宝庫となっているそうです。
2016年4月26日付 ナショナルジオグラフィック 「事故から30年、チェルノブイリが動物の楽園に

記事を読み、「福島全域を一括りにしてチェルノブイリと同列に置くな」とまず思いましたが、

 動物の中でもとりわけオオカミは、汚染をある程度免れている可能性がある。オオカミは行動範囲が広く、常に移動し、立入禁止区域の外まで出て行くこともあるからだ。

 ビーズリー氏は、「こうした多くの動物たちにとって、たとえ放射能の影響があったとしても、それは種の存続を妨げるほど個体数を抑制するものではないのだと思います。人間がいなくなったことが、放射能による潜在的影響を相殺してはるかにあまりある効果をもたらしているのでしょう」と指摘する。

 要するに、人間の存在の方が、放射能よりも動物たちには悪影響だということだ。

に、なるほどと納得すると同時に、最後の結論にまたもやアイロニーを感じてしまいました。

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