品質がすべて

昨晩から今朝にかけて、当ブログの5年前の記事 「京都市伏見区の岡田山の撤去開始」の閲覧数が急増したため、なぜだろうと思っていると、岡田山の廃棄物撤去に助力していた産業廃棄物処理業者の社長が逮捕されたという報道を見つけました。

NHKでは、「容疑者否認、京都市も困惑」という日本語的には意味不明のニュース報道がされていましたが、いつもは10文字程度しか公開しない毎日新聞のWEB版が、珍しく全文を公開していたので、そちらを記念に転載します。

2019年2月19日付 毎日新聞 「不法投棄容疑で廃棄物処理会社社長を逮捕 京都府警

容疑者の氏名住所は略

 建設工事現場などから出る混合廃棄物の処理で出た「残渣(ざんさ)」を無許可で汚泥と混ぜて固化処理し、滋賀県内の住宅など2カ所の造成地に埋めたとして、京都府警は19日、京都市伏見区の廃棄物処理会社「HIRAYAMA」の社長(46)を廃棄物処理法違反(不法投棄など)の疑いで逮捕した。府警によると、容疑者は「許可を得て固化している」と容疑を否認しているという。府警は同社で出た残渣が同県内の約20カ所に埋められたとみている。

 建設現場や解体現場の廃棄物にはプラスチック類やがれき類、金属、ガラス、紙のくずなどが混在する。今回、不法投棄が疑われるのは、この選別処理過程で「ふるい」にかけられた後に残る「ふるい下残渣」。見た目は土砂に近いが、プラスチックや金属くずなどが混在し、通常は産業廃棄物とされる。

 逮捕容疑は同社の汚泥処理施設で2016年9月~18年4月、許可されていないふるい下残渣473トンを混ぜて固化処理し、その残渣と汚泥の混合処理物162トンを滋賀県内の2カ所に捨てたとしている。

 府警によると、容疑者は土地造成の埋め立て資材として取引業者に10トン車1台あたり500円で購入させていた。府警は正規の処分に必要な700万円以上の費用を免れたとみている。

京都市の産業廃棄物処分業者名簿を見ると、同社は「汚泥」の「脱水」と「固化」の許可を所持しています。

※許可期限が平成30年7月30日となっていますが、京都市が公開情報の更新をしていないだけかと思われます。

正確な処理フローがわかりませんので、「汚泥の固化」なのか、それとも「異物を汚泥に混ぜたのか」どうかを判断できません。

「ふるい下に落ちる前」、すなわち中間処理残さをふるいにかけて取り出した「土」であれば、「ふるい下」ではありませんので、京都市の許可内容にもよりますが、汚泥の固化材の一部として使用することは可能です。

「ふるい下となったがれきや木くずを汚泥に意図的に混ぜ込んだ」のであれば、「汚泥の固化」とは言えませんが、被疑者が全面的に否定している以上、真相は我々にはわかりません。

不法投棄と認定するためには、この再生土の製造過程において、異物を混ぜ込んだ証拠が必要となります。

もっともわかりやすい証拠は、実際に売られた再生土に異物が入っていたか否かになりますが、「異物の混入量やその比率」も明らかにする必要があります。

最近このようなリサイクル材をきっかけとした許可取消事例が発生しています。

もちろん、本当に法律違反をしていたのであれば、行政処分や逮捕をすることが当然ですが、行政処分や逮捕の理由が曖昧なままだと、同じ事業を行う企業が安心して操業できませんので、行政と警察がしっかりと説明責任を果たすことが望まれます。

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コメント

  1. 匿名 より:

    この件について続報がありました。
    ① https://www.sankei.com/west/news/190221/wst1902210009-n1.html
    ② https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190302-00000509-san-soci

  2. 尾上雅典 より:

    そうですね。

    「不起訴」ではなく、「処分保留」ではありますが、検察の判断はかなり早かったと思います。


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